欧州中央銀行(ECB)政策金利発表の予想
(2023年3月16日木曜日:東京時間22時15分、ラガルド総裁記者会見は22時45分)
本日ECB金融政策会合の議事内容が記者発表されます。その後はラガルド総裁の定例記者会見が予定されています。
(1) 欧州中央銀行政策金利予想
(3月16日8時30分現在)
今回の注目点は
@ 前回2月の金融政策会合で、3月会合は利上げを実施し、その幅は0.5%と明言((4)をご参照願います)しているので、予想もレンジ幅がなく、全て50BP利上げになっています。従い、これ以外の結果はサプライズになります。
A 下記(3)の要人発言を見る限り、市場は次回以降も利上げに傾くとの見方が多くなっていました。(2)では前回よりも1%程度利上げ幅が上方修正されています。そして今週火曜日までは次回会合以降で具体的利上げ時期を示唆するかしないかとなっていました。
B ところが、15日に大手銀行クレディ・スイスの信用不安が起き、ユーロ圏に加盟していないスイスとはいえ、米国から飛び火した金融不安連鎖を欧州域内で食い止める必要があります。先々の引き締め政策に突然の制限が掛かってきているので、今回の記者発表要旨は非常に注目されます。
(2)エコノミストのECBの政策金利予想
上記のECB政策金利の先行き予想は前回よりも100BP程度上昇しています。既に前回会合で今回は50BP利上げを示唆しているので、実質は50BPの追加利上げになります。一方、CME Fedwatchでは先週末の米銀行破綻後、先行きFFレート予想は大幅に下がり、昨日現在では7月会合時でも上限が4.75%になっており、現行のFFレート水準で利上げ打ち止め予想になっています。これまでは最大5.75〜6.0%までの利上げ予想でしたが、このまま行けば欧米金利差はほとんど変わらないことになります。
(3)最近のECB関係者の発言
3月9日 仏中銀総裁 「インフレは現在から6月がピークと予想」
3月6日 オーストリア中銀総裁 「3月、5月、6月、7月に50BPの利上げを行うべき」
「インフレ鈍化には非常に長い時間がかかるだろう」
3月6日 ECB専務理事 「現在の情報では3月以降の利上げ継続を示唆」
3月3日 エストニア中銀総裁 「3月利上げが最後になりことはほぼ無いだろう」
3月3日 ECB副総裁 「インフレは年央までに6%を下回る可能性」
「金融政策は既に効果をだしている」
3月2日 ECB総裁 「インフレは依然として高過ぎる」
3月2日 イタリア中銀総裁 「3月以降の追加利上げのペースはデータ次第」
3月1日 独連銀総裁 「3月以降も大幅な利上げが必要」
2月28日 クロアチア中銀総裁 「ECBはまもなく制限的領域に入るだろう」
「市場は3月会合での0.5%利上げを織り込むのが適切」
2月27日 レーン専務理事 「更なる利上げが必要」
2月22日 ECB総裁 「政策金利がどの程度まで上がるかはデータ次第」
(4)ECB金融政策議事要旨の一部を記載しています
(2023年2月2日公表分)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
下図はユーロドルの日足チャートです。今週の小売売上高時に添付した週足チャートでは1.0460〜1.0900レンジでユーロ高トレンド推移であるとしました。昨日はクレディ・スイスの信用不安からユーロが大きく下落しました。
日足で目先の動きをみると、昨年9月28日底値からのサポートA(=1.0470)にあり、また昨年11月15日高値と今年1月6日の底値を結んだB(=1.0479〜84)があり、丁度Aと同じ位置にいます。昨日の日足は大陰線になり、このAとBのサポートを守れるか否かの水準近くまでユーロが下落しています。その下限は週足の1.0460にも近い水準です。
最近は底値を結んだC(=1.0420)とそこから平行に上げたD(=1.0750)でユーロ安トレンドを形成しており、昨日の高値はそのDで止められました。このままユーロ安が続くと、AとBが切れた場合はCまでを想定しておき、週足終値で1.0460を守れるかになります。
上値は1.0610、1.0650〜60、1.0690〜1.0700、1.0740の順に抵抗線があり、最低でも1.0660を越えて行かないと下値リスクが高いままになります。
(2023年3月16日10:50、1ユーロ=1.0595ドル)
オーダー/ポジション状況
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