豪ドル/円、短期は下値リスクが点灯。88円割れの越週で中期トレンドも変化。
3/7、豪州準備銀行は政策金利(キャッシュレート)を市場の予想通り0.25%引き上げ3.6%としました。10会合連続の利上げとなりましたが、声明では、さらなる金融引き締めが必要としながらも、「月間CPIは、インフレがピークに達したことを示唆」「金融引き締めに伴い消費の伸びが鈍化し、物品価格の上昇は今後数カ月で緩和される見通し」など前回までの声明からトーンダウンしており、次回会合からの利上げ休止観測が強まりました。これを受けて豪ドルは対米ドル、対円で下落しています。また、パウエルFRB議長が議会証言で、今後のデータ次第としながらも、利上げのペースを加速させる可能性を示唆したことから、ドル全面高の流れとなったことも豪ドル相場を押し下げる要因となっています。
チャートを見ると、日足は12/20につけた87.03を基点として下値を切り上げる流れをかろうじて守っていますが、この日足の下値抵抗である89.00-10を割り込んで終えた場合は一段の下落に繋がり易くなります。一方上値も、2/14につけた93.04を直近高値として上値を切り下げており、この間に91.00-10の重要ポイントを下抜けて下げが加速しています。このレジスタンスラインの上値抵抗は91.50-60に位置しており、これを上抜けて終えるまでは下値リスクがより高い状態です。
一方で、昨年9月につけた98.60を基点として上値を切り下げて来た中期的なトレンドラインからは上抜けた位置を保っており、反転の可能性を残した状態です。このサポートラインは88円台に位置していますが88円を割り込んで終えた場合は、短・中期トレンド共に“豪ドル弱気”に変化します。日足の上値抵抗は90.40-50,90.80-90,91.50-60に、下値抵抗は89.40-50,89.00-10,88.10-20にあります。21日、120日、200日線は91.74,92.17,93.11に位置しており、全てを下抜けて下値リスクが高い状態です。
一方直近の週足は小陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げましたが、今週は急落しており、また、2020年3月につけた59.91を基点とするサポートラインを完全に下抜けた状態にあり、中期トレンドの変化に注意が必要です。12月につけた87.03を基点とする週足のサポートポイントが88.50-60にありますが、これを下抜けて越週した場合は85円方向への新たな下落リスクが点灯します。今週の週足ベースで見た上値抵抗は92.20-30,92.80-90,94.40-50に、下値抵抗は89.00-10,88.50-60にあります。31週、62週移動平均線は92.67と91.02に位置ており、これらを下抜けて下値リスクが高い状態にあります。
3/9現在、31週移動平均線は92.67に、62週線は91.02にあり、両者を下抜けて新たな下落リスクが点灯中。
オーダー/ポジション状況
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