再びドル買い優勢か、137円台乗せも
〇本日のドル円、夕方にかけ上値拡大し一時136.75レベルまで上昇
〇高田日銀審議委員の講演実施「現行の大規模な金融緩和を続ける必要がある」
〇本日は10-12月期単位労働コスト改定値や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表される予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.60
〇ドル高・円安方向は2月末高値の136.92や200日線が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、136円半ばが弱いながらもサポートに
<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場もドルが堅調裡。夕方に掛け上値を広げる展開で、136.70円台まで一時値を上げている。
ドル/円は136.15円レベルで寄り付いたのち、しばらくは冴えない動き。頭も重くレンジ取引をたどるも、上抜けると夕方に掛けて上値を拡大させている。一時136.75円レベルまで上昇し、先日高値136.92円を視界内に捉えられるもとどかず。ただ、16時現在ではそのままドルは高値圏で推移し欧米市場を迎えていた。なお、本日は高田日銀審議委員の講演などが実施され、「現行の大規模な金融緩和を続ける必要がある」との見解が聞かれていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは「米中の対立構造」と「米金融政策」について。
前者は、「偵察気球問題」あたりから再び関係悪化が取り沙汰されるなか、昨日から本日に掛けては好悪材料が交錯。まず好材料は、米財務省のカプロス次官補代理が先週、中国を訪問し中国側の代表と会談を行ったと伝えられたこと。雪解け期待も聞かれたが、反面悪材料はロイターによる「米政府、ウクライナでの戦争で中国がロシアに軍事支援を行った場合、新たな対中制裁を科す可能性について同盟国に打診」との報道や、インドで始まったG20外相会合において「米国務長官と中国外相の個別会談はいずれも予定されていない」と公式表明されたことなどがあげられる。関係改善までには、まだまだ時間を要しそうだ。
対して後者は、一昨日に発表された2月の消費者信頼感指数などが予想を下回ったことに続き、昨日の2月の製造業PMI確報値や同ISM製造業景況指数も期待を裏切る結果に。そのため、米利上げ観測については黄信号が灯った感も否めず、実際米アトランタ連銀のボスティック総裁からは「FRBは必ずしも予想以上に金利を引き上げる必要はない」といった発言も聞かれていた。しかし、一方で米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は逆に、自身の利上げ見通しを上方修正する必要がある可能性に言及するなど、要人によって見解はマチマチ。引き続き今後の米経済指標などに注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、打ち返しの動きが強まり一時135.25円まで下押しするも、そののち本日東京にかけて1円以上の急反発をたどっている。2月28日に示現した年初来高値136.92円が再び視界内に捉えられた感を否めず、まずは同レベルの攻防に注目だ。また、その少し上のレベルには移動平均の200日線も位置しているだけに、テクニカルにはあわせて注視しておきたい。
先週末から2月28日にかけて実施された「日銀正副総裁候補の所信聴取と質疑」を受け、植田氏などの新日銀正副議長候補が「早期の政策変更」否定派だということが確認されるなか、昨日は中川氏そして本日は高田氏と現役の日銀審議委員からも歩調をあわせたのか「早期利上げ慎重発言」が聞かれていた。ドルの下値は底堅そうな雰囲気だ。ただ、ドルも2日続けて発表される米経済指標が冴えない内容であるところは若干気掛かり。一旦冷静になり、動静をいま一度見極めたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きリスクという意味ではドル高方向にバイアスが掛かる。しかし、昨日レポートしたようにドルの上値を移動平均の200日が抑制している反面、下値は同90日線がしっかりとサポートしており底堅い雰囲気に変わりがないようだ。引き続き短期的には、移動平均の90日線と200日線のどちらを抜けていくのかをしっかりと見極めたい。
本日は米経済指標として、10-12月期の単位労働コスト改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。前述したように、昨日そして一昨日と発表された米指標が奮わなかったこともあり、本日の指標内容はとくに要注意。また、昨日に続き実施されるG20外相会合にも引き続き注意したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは136.10-137.60円。ドル高・円安方向は2月末高値の136.92円や200日線が最初の抵抗。抜けると次の強い抵抗は138.20円レベルか。
対するドル安・円高方向は、136円半ばが弱いながらもサポートになりつつある。割り込むと本日東京安値の136.00-05円を目指す展開か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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