米1月卸売物価指数(PPI)予想
(2023年2月16日22時30分発表)
本日(16日)、米国1月卸売物価指数(PPI)が公表されます。
火曜日のCPIは予想をやや上回り、昨日の小売売上高やNY連銀製造業景況指数も予想を上回り、鉱工業生産指数は下回りました。流れとしては製造業の悪化傾向が続く見込みの中で、消費や雇用では改善が見られ、米10年債金利は昨年12月末と同じ水準となる3.8%台まで上昇しています。またアトランタ連銀GDPナウは2.4%(←2.2%:2月8日現在)に上方修正されました。2月3日を境にドル買いが継続しています。
さてPPIですが、前回12月は予想よりも比較的大きな低下となり、インフレ沈静化方向となっています。今回1月も全体・コア共に前年比ベースでは大きく下がる予想になっています。ところが火曜日に発表されたCPIはやや高止まり傾向となっているので、今日のPPIの結果は重要になります。
下図@・Aを見ると、6月高値はPPIが11.3%、CPIが9.1%でしたので、今回予想通りなら、PPIでは高値から約48%も下がることになります。一方のCPIは約30%程度の下落に留まっています。@の〇印をみると、PPIとCPIが交差するとPPIが先行し、CPIの後追いになっています。今回交差しましたので、これまでのパターンから言えば今後CPIが低下していくことになります。
その意味で先日の1月CPIの数値が一時的に高止まっただけなのか、今回のPPIが下がらずにインフレ低下傾向が弱まったのかを見極める必要があります。後者なら米金利先高観は続き、ドル買い材料になりそうです。一方で、製造業の鈍化傾向が続いているので、米経済は不安を抱えたまま金利高になる可能性を秘めています。
2023年2月16日8時30分現在予想
米国の卸売物価指数全体(PPI:オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
@ CPIとPPIの同月推移
.
A CPIをPPIから2ヶ月後ろにずらしたチャートにしています。
下図はユーロドルの日足チャートです。昨日の小売売上高時に添付した週足チャートの状況は変わっておらず、ユーロ高トレンドの中で、目先は下値模索になっています。
この日足チャートを見ると、昨年9月28日底値から上げたサポートA(=1.0320)でユーロ高を支えています。しかしながら、11月4日底値からのサポートB(=1.0950)と11月10日底値からの同C(=1.0850)は既に破られて、ユーロ高からの調整場面にいます。現在は横サポートのD(=1.0650)で何度か止められていますが、もしこのDを切れれば1月6日底値のE(=1.0484)、更にAまでの下値が視野に入ります。逆にDが守られてユーロが反発した場合でも、CとBの抵抗線を越えない限り、ユーロ高には戻れないことになります。
(2月16日13:10 1ユーロ=1.0709ドル)
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