米FOMCこなす、英欧金融政策にも注意
〇本日のドル円、一時128.15-20まで値を下げるも128円は割り込めず、反発に転じる
〇本日未明に米FOMCの結果発表、政策金利は予想通り0.25%引き上げ
〇パウエル議長「あと2回程度の利上げで景気抑制的と考えられる適切な水準に達する」と発言
〇本日は英国、ECBによる政策金利の発表に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.10-129.30
<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進展するも128円割れは回避され、下値追いも続かなかった。
ドル/円は、寄り付いた128.95円レベルを日中高値に下値を探る動き。時間外で取引される米金利の動きに一喜一憂しつつ、一時128.15-20円まで値を下げている。しかし、128円は割り込めず反発に転じると、結果「行って来い」。ちなみに途中、若田部日銀副総裁から「金融緩和を続けていくコミットメントは変わらない」などとした発言が聞かれていたようだ。結局寄り付きに近い128.80円レベルまで値を戻し、16時現在ではそのままドルの高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、日本時間本日未明に米FOMCの結果が発表され、主要政策金利は予想通り0.25%引き上げられた。また、それに続けてパウエルFRB議長が会見で、「あと2回程度の利上げで景気抑制的と考えられる適切な水準に達するだろう」などと述べ、追加利上げを示唆したものの市場はむしろ「利上げ打ち止め」に言及した点に注目。続けてパウエル氏は「今年中の利下げは想定していない」とも指摘していたが、マーケットの弱気ムードを払拭できずにドル売り・円買いで反応するという結果となった。
対して後者は、複数メディアを通じてロシアとウクライナ両軍による、ウクライナの東部ドネツク州バフムトをめぐる戦闘激化が伝えられるなか、西側諸国によるロシア包囲網の動きはさらに強まっている。実際に米国のトーマスグリーンフィールド国連大使から「米国と同盟国は国連でロシアの孤立化を図ろうとしている」との発言が聞かれたほか、議長国である日本が「24日にG7オンライン首脳会議の開催を調整」、EUも「ロシア産石油製品の取引価格に設ける上限について3日の会合で合意を目指す」などと伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は129円を下限とした短期レンジを底割れ。本日東京時間には128.15-20円まで続落している。ドルの下値余地が拡大したと言えそうだが、1月安値127.22円を下限とした大きなレンジ内には依然としてとどまったまま。米FOMCをこなしたとはいえ、明日には米雇用統計の発表が控えている。いま一度、ドルの基調をしっかりと見極めたうえで次の動意に臨みたい。
日米金融政策を注視する向きが多いなか、米国については前述したように利上げそのものは継続するものの、回数的にはあと2回と見られ、その後はしばらく様子見が続く見込みだ。取り敢えず当面の見通しが示されたことで、発表される米経済指標などに一喜一憂しつつも、市場の関心が米国から日本の金融政策へと軸足を移す可能性もある。また、それとは別に本日は英国そしてECBによる政策金利の発表が予定されており、そちらの内容も場合によって波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は目先レンジの下限129円レベルを下回っており、ドルの下値機運が強まった感を否めない。ちなみに、1月安値127.22円を起点にした上昇幅のフィボナッチは61.8%戻しが128.90円、76.4%戻しは128.25円だったが、昨日そして本日の東京でともに下回ってきている。後者は若干微妙だが、ともかく128円前半を再度下回ると127円台へ。127.22円を視界内に捉えた動きをたどっても不思議はなさそうだ。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や12月の製造業受注指数などが発表される予定となっている。昨日は最終的に発表された米FOMCがすべてを持っていた格好だが、それ以前に発表された米経済指標はやや冴えず、ドルの売り要因になっていた。本日も米経済指標には要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.10-129.30円。ドル高・円安方向は本日東京で一度も乗せられなかった129円レベルが最初の抵抗。しっかり超えると129.15円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値128.15-20円の攻防にまずは注目。下回ると128円割れは不可避か。127.22円も視界内に入ってくる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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