ドル円、日米金融政策格差を背景に冴えない動きが継続中。本日は米雇用統計に注目(2/3朝)

2日(木)のドル円相場は軟調推移。

ドル円、日米金融政策格差を背景に冴えない動きが継続中。本日は米雇用統計に注目(2/3朝)

ドル円、日米金融政策格差を背景に冴えない動きが継続中。本日は米雇用統計に注目

○ドル円、米長期金利の急低下で128.09まで下落、売り一巡後は128.65前後まで回復
○ユーロドル、ラガルドECB総裁のハト派的発言などが重石、米国時間午後にかけて1.0886まで急落
○ドル円、ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下抜け、地合いの弱さを決定づけるチャート形状
○ファンダメンタルズも、FRB、ECBによる金融引き締め早期休止観測など円独歩高を連想させる材料増加
○今夜発表される米1月雇用統計、米1月ISM非製造業景況指数に要注目
○ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:127.25ー129.25

海外時間のレビュー

2日(木)のドル円相場は軟調推移。(1)米FOMC後のドル売り再開(パウエル議長記者会見が予想されたほどタカ派的では無かったことに対する安堵感)や、(2)上記1を背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは1/19以来の低水準となる3.34%まで急低下。米2年債利回りは昨年10/4以来の低水準となる4.04%へ急低下)、(3)本邦輸出企業の実需のドル売り、(4)円キャリートレード逆流を意識したドル円ロング勢のロスカットが重石となり、米国時間午前にかけて、安値128.09まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)米新規失業保険申請件数(結果18.3万件、予想19.4万件)の良好な結果や、(6)対ユーロ・対英ポンドでのドル買い圧力、(7)米長期金利の低下幅縮小(米雇用統計を控えたポジション調整)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/3午前5時35分現在)では、128.65前後で推移しております。

2日(木)のユーロドル相場は上昇後に急反落。(1)米FOMC後のドル売り圧力(パウエルFRB議長記者会見が予想されたほどタカ派的では無かったことに対する安堵感→米長期金利急低下→米ドル急落)を背景に、アジア時間朝方にかけて、高値1.1033(昨年4/4以来の高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(2)注目されたECB理事会でのハト派的な声明文(政策金利を予想通り50bp引き上げると共に、次回3月会合での50bp連続利上げを示唆しつつも、その後は金融政策の道筋を見極めると言及)や、(3)ラガルドECB総裁による「インフレリスクはより均衡した」「3月に50bp利上げした後は経過を注視する」とのハト派的な発言、(4)上記2、3を背景としたECBの金融引き締め休止観測(次回3月の利上げを以って休止するとの思惑)、(5)欧州債利回りの急低下(ドイツの10年債利回りは2.28%から2.04%へ24bp急低下)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0886まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/3午前5時35分現在)では、1.0913前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時128.09まで下げ幅を広げるなど、軟調推移が続いております。ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下抜けした他(日足や週足などの上位足のみならず、1時間足や4時間足などの下位足でもサポートラインを下方ブレイク)、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」も継続点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの弱さを決定づけるチャート形状となりつつあります。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め早期休止観測や、(2)ECBおよびBOEの金融引き締め早期休止観測、(3)日銀による金融緩和の早期修正観測、(4)上記1、2、3を背景とした日本とその他各国との金融政策格差(円キャリートレード逆流懸念)など、ドル円相場・クロス円相場の下落(円独歩高)を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は日本時間22:30に発表される米1月雇用統計に注目が集まります。特に平均時給への注目度が高く、前回同様、賃金インフレにピークアウトの兆しが見られれば、米金利低下→米ドル売りの経路でドル円に強い下押し圧力が加わるものと推察されます。また、日本時間0:00に発表される米1月ISM非製造業景況指数にも注目が集まります。先月は同指標の悪化を切掛に、実質金利上昇に伴う米経済のオーバーキルが想起され、その後のドル円急落に繋がりました。今回も市場予想を下回る不冴な結果が示されれば、ドル安・円高に拍車をかけそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、目先は1/16に記録した年初来安値127.22を試すシナリオを想定いたします(同水準を下抜けできれば、次は昨年5/23に記録した安値126.36が射程圏内に)。

本日の予想レンジ:127.25ー129.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金融政策格差を背景に冴えない動きが継続中。本日は米雇用統計に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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