ドル円、米FOMC後のsell the factで下げ幅拡大。ドル売りトレンド再開か(2/2朝)

1日(水)のドル円相場は上昇後に急反落。

ドル円、米FOMC後のsell the factで下げ幅拡大。ドル売りトレンド再開か(2/2朝)

ドル円、米FOMC後のsell the factで下げ幅拡大。ドル売りトレンド再開か

〇ドル円、本邦輸入企業の実需のドル買いや、FOMC前の警戒感から欧州時間朝方にかけ130.43まで上昇
○その後、米経済指標の不冴えやパウエルFRB議長のハト派的発言等から128.57まで急落
○注目の米FOMC、市場予想通りFF金利誘導目標を25bp引き上げ、次回利上げも示唆
○ユーロドル、アジア時間朝方1.0852まで下落後、日本時間早朝、約10ヵ月ぶり高値1.1001まで急伸
○ドル円、ローソク足が主要サポートラインを軒並み下抜ける等テクニカル的に極めて弱い地合
○ファンダメンタルズも米FRBの金融引き締め早期休止観測や日米金利差縮小観測がドル円相場の重石に
○ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:127.50ー129.50

海外時間のレビュー

1日(水)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)本邦輸入企業の実需のドル買いや、(2)米FOMCを控えた警戒感が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値130.43まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと(21日移動平均線をバックに戻り売り圧力が強まると)、(3)米1月ADP雇用統計(結果+10.6万人、予想+18.0万人、前回+23.5万人)の市場予想を下回る結果や、(4)米1月ISM製造業景況指数(結果47.4、予想48.1、前回48.4)の冴えない結果、(5)パウエルFRB議長による「ディスインフレプロセスが現在進行中であることは喜ばしい」「引き締め過ぎは望んでいない」とのハト派的な発言、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、日本時間早朝4時45分過ぎに、安値128.57まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(6)パウエルFRB議長による「今年の利下げは適切ではない」「あと2回ほどの利上げを協議中」「JOLT求人件数の数字は恐らく重要」との発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/2午前5時45分現在)では、128.68前後で推移しております。

尚、注目された米FOMCでは市場予想通りFF金利誘導目標の25bpの引き上げが行われると共に、声明文においても「継続的な利上げが適切(anticipates that ongoing increases)」と次回利上げを示唆する表現が再表明されました。

1日(水)のユーロドル相場は下落後に急上昇。アジア時間朝方に、安値1.0852まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ユーロ圏1月コアCPI速報値(結果+5.2%、予想+5.1%、前回+5.2%、※前年比)の市場予想を上回る結果や、(2)上記1を背景としたECBによる金融引き締め長期化観測、(3)米1月ADP雇用統計の冴えない結果、(4)米1月ISM製造業景況指数の市場予想を下回る結果、(5)パウエルFRB議長による「ディスインフレプロセスが現在進行中であることは喜ばしい」「引き締め過ぎは望んでいない」とのハト派的な発言、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、日本時間早朝5時過ぎに、昨年4/4以来、約10ヵ月ぶり高値となる1.1001まで急伸しました(心理的節目1.1000の突破に成功)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/2午前5時45分現在)では、1.0998前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は注目された米FOMCおよびパウエルFRB議長記者会見を経て、一時128.57まで急落しました。FOMC声明文の内容や、パウエルFRB議長の記者会見は、全般的にタカ派的な内容となりましたが、事前に予想されていたこともあり、sell the fact的なプライスアクションとなりました。ローソク足が主要サポートラインを軒並み下抜けしたこと(日足のみならず1時間足や4時間足などの下位足でもサポートラインを下方ブレイク)や、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」が継続していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる金融引き締め早期休止観測(パウエルFRB議長はあと2回の利上げを示唆するも、市場の織り込みはあと1回の利上げに留まっている状態。CMEが提供するFedWatchツールによると、次回3月FOMCでの25bp利上げ織り込みは82.5%ながら、その次の5月FOMCでは据え置きが56.1%織り込まれている状態)や、日銀による金融緩和の修正観測、上記に伴う日米金利差縮小観測(円キャリートレード逆流懸念)がドル円相場の重石になると考えられます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(1/16に記録した年初来安値127.22に向けて下げ足を速めるシナリオを想定)。尚、本日はECB理事会や、ラガルド総裁記者会見、米10ー12月期非農業部門労働コスト速報値、米新規失業保険申請件数、米12月製造業受注指数、米12月耐久財受注などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:127.50ー129.50

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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