シカゴポジション(CME)364
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年12月06日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはNZドルを除き、米ドル売りになりました。とは言え、豪ドルと円はリスク回避のドルロングを減らし、ユーロは僅かにユーロロングを増やしただけです。NZドルはNZドルのロングポジションを手仕舞いしての、NZドルショート増ですので、リスク自体は低減しています。
まず豪ドルですが、4,000枚程度ショートを減らしました。ロング増、ショート減ですので、リスクヘッジしています。それでも4万枚のショートはキープしているので、豪ドル先安観は維持しています。NZドルは総枚数を減らしてのショート増ですのでリスク減ですが、先行き相場観の目安となる6,000〜7,000枚になり、オセアニア通貨は先安で揃い踏みです。相場は特に締日ベースNZドルが対米ドルで買われており、シカゴは戻り売り継続していますが、FOMC期待としか思えない感じです。従い、明日の締日でもオセアニア通貨ショートは変わらないと思いますが、20日週締日以降は米国の利上げ姿勢次第になりそうです。もし万一、FOMCで金利先高見通しに弱い内容なら、シカゴはショートの買い戻しが入る可能性が高くなり、オセアニア通貨高へのリスクはあります。
円は1,400枚程度買い戻し、一段とリスクを低減しています。10月25日締日(終値147円93銭、ネット円ショート102,000枚)の総枚数からは65,000枚弱のポジション減になっています。それでもまだ65,000枚を越えるネット円ショートですので、ドル先高観は根強いものがあります。先週も書きましたが、シカゴがロング再積み増しに転じたのは8月9日のネットショート25,000枚時で締日終値が135円05銭でしたので、このスポットと、12月2日底値の133円63銭を注視します。今週のFOMCでもし米金利安に動いた場合、この2点間での押し目で、買うか売るかを見たいと思います。逆に最終利上げ幅が拡大する内容で金利高からドル買いとなった場合もやれやれの米ドルロング手仕舞いになるかも注意します。ユーロはここ3週間12万枚台前半を維持しています。11月16日〜12月6日までの3週間レンジが1.0223〜1.0595ですので、このレンジは様子見になっています。1.05以上でも手仕舞いしていないので、ユーロは一段高を見ていると思います。従い1.06を越えてからのポジション動向を見た方が良さそうです。
先週のシカゴは、ロング2,500枚減、ショート1,100枚減となり、ネットショート1,400枚増となりました。最初の目安となるネット6,000〜7,000枚に届き、NZドル先安の相場観になっています。今後はこのまま一段とショート増になるかは、売り上がって行けるか否かになります。逆に損切り時には大きなNZドル反発を招きます。下図のチャートを見ると、チャート内の黒のNZドル安トレンドラインが0.5860〜0.6580にあり、NZドルは一段と上昇し、レンジ上限まで残り200ピップスになりました。当面はこの抵抗線まで売り上がりするかを見ます。
さて実際の相場は、先週「…戻りは0.6240の抵抗線を越えて行きました。現在は0.6060〜0.6460のNZドル高トレンドライン内の上限近くにいて、このレンジ内の0.6320にサポートあり、このラインがレンジ間の上下を分けています。サポートしては0.6410〜20、0.6380、0.6320の順にあります。上値は今年8月12日高値からの抵抗線が0.6470にあり、丁度トレンドライン上限と一致したところにあります」としましたが、12月5日に高値0.6443までトライし、NZドル高レンジのほぼ上限で止まり、そこから反落。底値は0.6302、終値は0.6320となり、丁度最後のサポートで止まりました。今週はこのトレンドラインが0.6100〜0.6500になっています。このレンジ間には0.6350、0.6300にサポートがあり、後者維持が目先のNZドル高に重要です。これを切れるとレンジ下限の0.6060方向への動きになり易くなります。上値は0.6410、0.6450、0.6500の順に抵抗線あり、2つ目が2回目の高値トライになります。越えてからの0.6500狙いがリスク少なくなります。(1NZドル=0.6387米ドル、12月12日15:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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