ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)速報値予想(22/11/30)

本日ユーロ圏の11月消費者物価指数が発表されます。

ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)速報値予想(22/11/30)

ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)速報値予想

ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)速報値予想

ユーロ圏HICP(2022年11月30日8時30分現在予想)

本日ユーロ圏の11月消費者物価指数が発表されます。前回10月は全体で予想を上回り、コアは予想通りでしたが、インフレ高止まり状態は変わらず、むしろ米国よりもインフレ軟化が遅れている印象です。今回11月は全体でやや軟化、コアは横這いになっています。ECBの9月時点での2022年HICPコア平均が3.9%(下図の緑色の横線)ですので、今回予想中間値を加味すると11ヶ月で3.81%となり、ほぼその線に沿ったものとなっています。
また、ユーロ圏HICPの前哨戦となるドイツの11月消費者物価指数が昨日29日に先行発表され、前月比▼0.5%(予想▼0.2%)、前年比10.0%(予想10.4%)となり、やや軟化の結果になりました。今日は16時45分にも仏の11月消費者物価指数が発表予定で、前月比では0.4%予想(10月1.0%)、前年比は6.2%予想で10月と横這いになっています。この2つを見る限り、インフレ高止まりは継続するものの、今後は軟化する期待含みの数値になりそうです。ECB金融政策はFOMC(12月14日)の翌日15日に予定されているので、今日の結果に関するECB委員のコメントが相場材料にされそうです。

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移

(黒い線より右側は今回の予想値、赤はECBのHICP 2022年平均予想8.1%、緑はHICPコア2022年平均予想3.9%:ECBの9月時予想)

上図をみると、右肩上がりの推移が横這いから軟化していくか、単なる一時的踊り場なのかに差し掛かっています。まだ赤と緑のラインを大きく越えているので、この水準に近づいていくのかを見ます。尚、ECB9月時点の赤のラインは2023年には8.1%⇒5.5%、緑のラインが3.9%⇒3.4%に低下する見通しとなっています。

下図はユーロドルの月足チャートです。今日月足ができますが、今月の寄りが0.9886ですので、このまま行けば大陽線引けは間違いないと思います。高値は1.0497まであり、やや上ヒゲが長いのが気にかかりますが、ユーロは戻り高狙いに入っている様です。

2018年2月高値からの抵抗線A(=1.2250)、2017年1月底値からのサポートB(=1.0890)で3角保合いの収斂を続けていました。2021年6月高値からの抵抗線C(=1.0660)に沿って、AとB間の下値模索でしたが、2022年4月にBを下抜いてからユーロ下落が加速し、2月高値からの抵抗線D(=0.9960)に沿ってユーロは下落していました。しかしながら、今月にDを上抜けたことで、ユーロ安地合いでの戻り高トライになっています。

現在は1.0500手前で止められていますが、戻りはCまでの余地が出来ています。もしこのCを越えることになると次はBの抵抗線が目途になります。11月月足の上ヒゲが長くなると12月にはやや下押しも見られると思いますが、その際は1.0200〜10サポート、次いでパリティ、DとE(=0.9750)に順になっています。
今日は上記のHICPの他、ワシントンDCでのパウエルFRB議長スピーチ、地区連銀経済報告(ベージュブック)などが予定されていますので、欧米の金利動向が注目されます。

ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移 2枚目の画像

(11月30日10:20 1ユーロ=1.0342ドル)  

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