シカゴポジション(CME)360
先週金曜日はNYがベテランズデーにより一部市場が休場であった為、シカゴポジションの更新が昨日となりました。
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2022年11月8日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはNZドルを除きドル売りになりました。全体ではユーロ以外は米ドル先高観を維持し、先週のCPIを迎えており、木曜日以降の米ドル急落にどの様に対処したのか、今日の締日のポジションが重要になります。
まず豪ドルですが、ポジションは前回よりやや手仕舞いしてきました。5万枚前後を維持しています。今日の締日ネットポジションで、豪ドル先高観を強め、戻り売りして7万枚方向になったのか、あるいは一度手仕舞いしたのかをみます。NZドルは最初の目安である7千枚に近づく動きになりましたが、内容はNZドルロングの利確によるものです。NZドル先安観に変えたのが昨年12月以降で、この1年間ショートサイドの最大枚数が28,000〜30,000枚、現在は24,400枚ですので、本来なら売り増せる可能性ありましたが、ロング減で対応しています。今回ショートのみを2万枚以上に増やした締日の終値が0.5996、そこからネットショート最大が10月11日週の▼19,000枚(ショートポジションは30,900枚)で、締日終値が0.5582になっています。8日締日終値が0.5954ですので、ショートサイドのコストはトントンになっていると思われます。現在のスポットが0.61絡みですので、オセアニア通貨先安観を維持しているか否か今日のポジションは興味深くなります。
円は前週に続き、円ショートを手仕舞いしてきましたが、まだネットで75,000枚のポジションを持っています。ネット枚数では僅か2,300枚程度のポジション調整ですが、総枚数では8,900枚減らしているので、先週木曜日以降は売り買い両サイドともに動き易くなっています。円ショートを積み上げ始めた8月30日締日▼41,500枚(終値138円79銭)、それから2週後に▼80,600枚(終値144円58銭)、10月25日に最大の▼102,600枚(終値147円93銭)でしたので、今回のドル急落の底値が8月30日付近相当ですので、全般的にはまだ持ち値よりは良さそうです。従い、木曜日〜昨日までの押し目でドルを拾ってきたのか、ユーロの様にドル安に切り替えていくのか注目されます。そのユーロですが、目安の10万枚を維持しており、相場はシカゴの思惑通りになっています。現状ではユーロ一段の先高相場観になったか否かをみます。締日で次の目安である14〜15万方向かを見極めます。
シカゴはロング900枚減、ショートは4,700枚減で、ネット3,800枚の豪ドルショート減になりました。相場は10日締日終値が0.6500で▼27,700枚、25日が同0.6394で▼51,400枚ですので、やや腰が引けたショート維持になっています。シカゴの豪ドルショート攻めは昨年6月から積み上げ始め、その当時の終値が0.7740でした。1年半経過して回転効かせているので、まだ十分余力はありそうですが、現在のスポットは0.6700絡みですので、豪ドル先安観を維持して、戻り売りしたのかをみます。チャート内の赤の豪ドル安トレンドラインが今週0.6180〜0.6670レンジにあり、先週の締日終値ではレンジ内に収まっていますが、現在のスポットは上抜けかけています。今日の締日で0.6670〜80未満になるかをみます。仮に上抜けると黒の抵抗線が0.7290付近にあります。
実際の相場は、先週「…先に0.6520〜30まで戻り、その後は0.6271まで下値トライし、金曜日に再度大きく戻しました。以前からの分岐点である0.6400〜30ゾーン中心に上下しています。現状ではまだ豪ドルが戻れる可能性を残し、8月15日高値からの抵抗線が0.6520〜30にあるので上値はここが目途になります。この手前の0.6460〜70にも抵抗線が控えています。もし0.6540越えて終わる様だと豪ドルは一段の上値トライになります」としましたが、先週木曜日のCPI後に上抜けました。現在のスポット0.67絡みは今年9月初旬の底値で、ここから1ヶ月程度揉み合った水準です。0.6760〜70に最初の抵抗線ありますが、もしここを日足で抜けると9月13日の戻り高値0.6890〜0.6910辺りまでの上値余地が広がります。下値は0.6610にサポートあり、ここを切れると0.6330〜0.6610レンジの豪ドル高トレンドラインに回帰し、このレンジ内の0.6450にサポートがあります。(1豪ドル=0.6698米ドル、11月15日10:20)
シカゴ豪ドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:川合 美智子
2022.11.11
オーストラリアドル週報(2022年11月第2週)
豪ドルは対ドルで上昇、対円では上値の重い展開となっています。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。