ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。早くもFOMC前の様子見ムードに突入(9/20朝)

週明け19日(月)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。早くもFOMC前の様子見ムードに突入(9/20朝)

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。早くもFOMC前の様子見ムードに突入

〇ドル円、アジア時間朝方にかけ142.65まで下落、米中対立激化リスク再燃などが重石
〇売り一巡後は143.65まで反発、その後143.15前後まで下落と方向感に欠ける展開
〇ユーロドル、金利先高観からアジア時間朝方1.0029まで上昇後に伸び悩み0.9967まで下落
〇その後、1.0020前後まで持ち直し、こちらも方向感の定まらない動き
〇ドル円、強い買いシグナルが複数点灯するなどテクニカル的にリスクは依然アップサイドと判断
〇ファンダメンタルズ的にも、日米金融政策の違いなどドル高・円安トレンド継続を連想させる材料が揃う
〇ただし9/22の各国中銀金融政策イベント終了までは様子見ムード継続か
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:142.50ー143.75

海外時間のレビュー

週明け19日(月)のドル円相場は振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。@バイデン米大統領による「中国が侵攻した場合に米軍は台湾を防衛する」との発言(米中対立激化リスクの再燃)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力、B本邦祝日(敬老の日)に伴う実需のドル買いの欠如が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値142.65まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると(一目均衡表転換線をバックに下げ渋ると)、C米FOMCを控えた警戒感(ドルロング再構築の動き)や、D円買い為替介入観測の後退(円安牽制に関する続報が週末に出なかったことに対する安堵感→俄かに円ロングの巻き戻し)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが2011年4月以来、約11年5ヵ月ぶり高水準となる3.51%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値143.65まで反発しました。もっとも、その後は、F英市場休場(エリザベス女王の国葬)に伴うポジション調整や、G米9月NAHB住宅市場指数(結果46、予想47)の市場予想を下る結果、H米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが3.51%から3.49%まで低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/20午前5時00分現在)では、143.15前後まで値を崩す展開となっております。

週明け19日(月)のユーロドル相場は振れを伴いつつも方向感に欠ける展開。@レーンECB専務理事兼主任エコノミストが週末9/17に「ECBは来年も利上げを継続する可能性がある」と発言したことや、Aドイツ連銀ナーゲル総裁も「インフレを抑制するためにECBは利上げを続ける」と発言したこと、B上記@Aを背景としたECBによる金利先高観が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値1.0029まで上昇しました。

しかし、先週末金曜日に記録した高値1.0037をバックに伸び悩むと、C米FOMCを控えた警戒感(ドルロング再構築の動き)や、D欧州経済先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中でのECBによる金融引き締めは欧州経済への逆風→欧州株下落)、E米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値0.9967まで下落しました。もっとも、その後は、F英市場休場(エリザベス女王の国葬)に伴うポジション調整や、G米9月NAHB住宅市場指数の市場予想を下回る結果、H米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間9/20午前5時00分現在)では、1.0020前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は9/14海外時間に発生した米CPIショックをトリガーに一時144.96まで上値を伸ばすも、本邦通貨当局による円安牽制発言やレートチェック実施が為替介入への警戒感を高める形で重石となると、その後は142.50ー143.50をコアレンジとした上下動に落ち着いています。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントを控えていることや、強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、リスクは依然アップサイドと判断できます(現在は上昇トレンドの過程で見られる一時的な小休止局面。米FOMC後に再びドル高・円安が活発化する恐れあり)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(今週9/22の米FOMCで少なくとも75bpの利上げが決定される見込み)や、A日銀による金融緩和の継続方針(今週9/22の日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決められる公算大)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、

C日本とその他各国との金融政策格差(米国のみならず、豪州やニュージーランド、カナダやスイス、欧州や英国など、日本以外のほぼ全ての先進国が金融引き締めに転換済→今週は先週の豪州・カナダ・欧州に続いて、英国やスイスで大幅利上げが決定される見込み→日本とその他各国との名目金利差拡大→クロス円上昇→ドル円連れ高)、D米政府・米当局によるドル高容認スタンス(米国はインフレ抑制に繋がるドル高を積極的に支持する構え)、E本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力(先週発表された米8月貿易収支は過去最大の赤字額)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。但し、今週は9/22に各国中銀の金融政策イベント(米FOMC、日銀金融政策決定会合、スイス中銀会合、ノルウェー中銀会合、英中銀会合など)を控えるスーパーサーズデーが待ち構えているため、当該イベントを消化するまでは様子見ムードが強まりやすく、ドル円は上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯(142.50ー143.50をコアレンジとした上下動)が続くと考えられます(尚、本日は米8月住宅着工件数や米8月建設許可件数、米レッドブック週間小売売上高、米財務省20年債入札等の米国イベントが予定されていますが、上記理由を以って方向感を見出すには至らないと予想)。

本日の予想レンジ:142.50ー143.75

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。早くもFOMC前の様子見ムードに突入

ドル円日足

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