トルコリラ円見通し ドル高リラ安やや緩みドル円確りでトルコリラ円は若干高(22/8/10)

トルコリラ円の8月9日は7.55円から7.49円の取引レンジ、10日早朝終値は7.54円で前日終値の7.52円からは0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル高リラ安やや緩みドル円確りでトルコリラ円は若干高(22/8/10)

トルコリラ円見通し ドル高リラ安やや緩みドル円確りでトルコリラ円は若干高

〇トルコリラ円、10日未明7.55到達、ドル円と同調し8/2以降高値切り上げ伺う
〇対ドル、10日終値17.89、政権利上げ拒否で12/20史上最安値18.36へ徐々に迫る
〇今晩米CPI発表に注目、ドル高基調再開で1ドル18リラの壁突破の可能性も
〇膠着状態解消でリラ安が円安を凌駕、トルコリラ円失速のケースに注意
〇7.50以上での推移中は上昇余地ありとし、7.56超えからは7.60前後試しを想定する
〇7.47割れからは下落期入りとみて、7.40前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の8月9日は7.55円から7.49円の取引レンジ、10日早朝終値は7.54円で前日終値の7.52円からは0.02円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラが1ドル18リラ手前での膠着状態が続いており9日はややドル安リラ高だったが、ドル円は135円を挟んだ揉み合いながらややジリ高の推移となった。このためトルコリラ円は8月5日の米雇用統計後にドル円が急伸したところでつけた8月8日午前高値7.56円から8日夜安値7.48円まで下げた後はやや持ち直しの動きを続けて10日未明には7.55円をつけて8日午前高値に迫り、その後も7.53円台を維持して高止まりしている。

8月10日夜の米CPI発表を控える中、9日は欧米の主要経済指標発表もなく手掛かりに欠ける展開だったが、米CPIの内容次第では今後の米FOMCにおける大幅利上げ継続感が高まって米長期債利回りが上昇してドル円が一段高へ進む可能性があり、米雇用統計反応がひとまず落ち着いた状況でもドル円は高止まりから一段高を伺う位置取りにあり、ドル円と同調したトルコリラ円も7.50円を買い戻されて確りして8月2日以降の高値切り上げを伺う動きとなっている印象だ。ただし、膠着状態にあるドル/トルコリラが1ドル18リラの壁を突破すればリラ安が円安を凌駕してトルコリラ円も失速する可能性も抱えていると注意する。

【ドル高リラ安は1ドル18リラ手前の攻防続くが、突破へのきっかけに欠ける】

ドル/トルコリラの8月9日は17.97リラから17.88リラの取引レンジ、10日早朝の終値は17.89リラで前日終値の17.91リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
高インフレが進む中で通貨防衛の利上げを拒否して逆に利下げの可能性を探るエルドアン政権とトルコ中銀の7会合連続の政策金利据え置きにより取引時間中の史上最安値である12月20日の18.36リラへ徐々に迫り、8月3日には17.99リラをつけて終値ベースでの史上最安値を17.94リラへ更新したが、1ドル18リラの壁を突破するには至らずにいる。
8月9日はトルコ及び欧米の主要経済指標の発表はなく手掛かり難で、為替市場全般が8月10日夜の米CPI発表待ちとなる中、ドル/トルコリラは新たな安値更新を回避し、終値ベースでも若干安となった。しかし戻したところは売られており、リラ安が一巡しての下落期入りには進めず、戻り売りを消化しながら1ドル18リラの壁を突破する機会を伺う展開と思われる。

【昨年来のドル高基調再開へ向かうか、今晩の米CPI発表に注目】

ユーロドルが1ユーロ1ドルのパリティを割り込んだのが7月14日、ドル円が139.39円をつけて2021年1月底以降の高値をつけたのも7月14日であり、そこまではドル全面高の様相だったが、その後はドル高が一服したもののユーロは1.020ドルを挟んだ持ち合いにとどまっての推移、ポンドドルは7月14日から8月1日まで戻したところから失速、豪ドル米ドルも7月14日安値から8月1日まで戻したところで上昇一服となっている。
8月5日の米雇用統計が予想を超える強い数字だったことでのドル高反応は一時的なものに留まり、8日から9日にかけては揺れ返しのドル安となったが、豪ドル米ドルは8日夜から再び反落、ポンドやユーロは9日夜へ戻したものの深夜から反落するなど、中長期的なドル全面高が一巡してドル安へと大きく潮目が変わったとまでは言えない状況にある。

米FOMCによる年内の利上げペースが緩めば目先的にはドル安反応となりやすいが、それでも来年前半への利上げは継続であり、ロシア制裁問題による欧州のエネルギー不足がリセッション入りを濃厚としている中にあっては金融引き締めによる投機マネーの逆流でドルストレートでのドルの買い戻しによるドル高基調が続きやすい。
ユーロドルは2021年1月を天井とした下落基調の中でパリティ割れに対する突っ込み警戒感でやや下げ渋った程度にとどまっている。ポンドドルは2021年6月1日天井からの下落基調を継続しており、豪ドル米ドルも2021年2月天井から下落基調にある。
こうした中にあって、ドル/トルコリラは歴史的な下落基調を続けており、1ドル18リラの攻防をしつつもドル全面高の様相が再び強まれば18リラの壁を突破されて取引時間中の史上最安値更新へ向かいかねない状況にあると思われ、早ければ今晩の米CPIがそのきっかけとなる可能性もあると注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、8月5日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして8月8日夜から10日夜にかけての間への上昇を想定してきた。8月9日午前時点では7.47円割れからは弱気サイクル入りとしたが7.47円割れは回避して高値更新を伺う位置にあるためまだ上昇余地ありとみるが、引き続き7.47円割れからは弱気サイクル入りとして10日の日中から12日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、8月8日夜からの上昇により遅行スパンは好転し、先行スパンへ若干潜り込んだところから再び上抜けてきているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンへ再び潜り込み始めるところからは弱気転換注意とし、先行スパン転落からは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月8日夜の40ポイント割れから9日夜には70ポイントに迫ったが届かずにいる。50ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント前後への低下を伴う下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.47円を下値支持線、7.56円を上値抵抗線とする。
(2)7.50円以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、7.56円超えからは7.60円前後試しを想定する。7.60円前後は反落警戒とするが、7.50円以上での推移なら11日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)7.47円割れからは下落期入りとみて7.40円前後への下落を想定する。7.40円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、7.47円以下での推移なら11日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月10日
 16:00 7月 失業率 (6月 10.9%)
8月11日
 16:00 6月 経常収支 (5月 -64.68億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/5時点 グロス (7/29時点 611.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8/5時点 ネット (7/29時点 91.2億ドル)
8月12日
 16:00 6月 鉱工業生産 前月比 (5月 0.5%)
 16:00 6月 鉱工業生産 前年同月比 (5月 9.1%)
 16:00 6月 小売売上高 前月比 (5月 1.9%)
 16:00 6月 小売売上高 前年同」月比 (5月 20.8%)
 16:00 7月 トルコ中銀 年末インフレ率予想調査 (7月 69.94%)
8月15日
 17:00 7月 財政収支 (6月 -310億リラ)
8月18日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 14.0%)

注:ポイント要約は編集部

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