シカゴポジション(CME)346
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年08月2日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは豪ドルを除き米ドル売りになりました。ポジション調整の動きになる一方、豪ドルはショートを積み上げました。
まず豪ドルですが、遂に目安となる5万枚越えになりました。これで豪ドル先安観を強めています。一方のNZドルは一段とスクエア方向にしたので、オセアニア通貨の括りでは想定外のポジションメークになっています。豪ドル対NZドルは今年6月以降、短期的に1.0970〜1.1190レンジの緩やかな豪ドル高トレンドを形成しているので、いずれNZドル売りに繋がるかを見たいと思います。NZドルがショート増で追随するなら、シカゴのオセアニア通貨先安はほぼ間違いないと思います。
次に円ですが、先週締日2日がここ最近のドル底値130円41銭でした。ポジションは遂に相場観を示す目安の5万枚を割り、しかも深い押し目で手仕舞いしてきました。円買い7,000枚増、ドル買い12,000減で、約2万枚弱のポジション調整となり、もし明日の締日でも更に手仕舞いしてくると、長期間に亘るドル高の相場観を一度止めることになります。逆に、相場は底値から5円程度(締日終値は133円17銭)のドル高になっているので、一度ドル底打ちの見方から6万枚位までポジションを戻せば、引き続きドル先高観を維持することになります。非常に興味深い水準までポジションがきていますので、ウォッチしたいと思います。
ユーロは26日締日終値1.0117、2日締日同1.0166で、ややユーロ高への戻りの中で、ポジション調整しています。2週続けての利確ですので、さほど大きなユーロ安を見ていないようです。5万枚を越えるネットポジションにしない限り、ユーロは様子見となり、相場は横這い継続になりそうです。
先週のシカゴは、ロング800枚減、ショート3,400枚減となり、差し引き2,600枚のネットショート減になりました。これで完全にスクエアです。チャートを見ると、先週の締日終値は0.6150〜0.6850の大きなNZドル安トレンド内に3週連続で回帰し、かつレンジ内の赤い抵抗線0.6200を2週連続で上回っています。まだNZドル安内で戻りを試す時間帯にいる様ですので、シカゴのスクエアは肯けます。先週、先行きのポジションは豪ドルがショートを積み増すかとしましたが、ショート増になったので、次回のポジションメークはNZドル売りの可能性が高く、戻り売り狙いになりそうです。
さて、実際の相場は、中長期NZドル安下で、日足は豪ドル同様に4月5日高値の抵抗線を上抜けたので戻り高トライでしたが、その後は約3週間に亘るNZドル高トレンドを下抜きかけています。このサポートが0.6230〜40にあり、現在のスポットがそのラインに絡んで動いています。このまま行けば、0.6190〜0.6200、0.6150、0.6090〜0.6100の順にあるサポート狙いです。上値は0.6310にある抵抗線が強くなっています。(1NZドル=0.6243米ドル、8月8日14:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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