米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(13日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2022年7月13日以前までとなっています。前回と比較して、物価上昇は継続しており、やや緩やかになった部門もあるが、物価は歴史的に高いままと指摘しています。一方で、経済活動はリセッションの高まりを懸念している箇所もありました。ドル円相場は予想より高い消費者物価指数にドルは137円87銭まで買われ、ベージュブック自体は特に材料視されませんでした。
全般的な経済活動
経済活動は全般的に5月中旬以降緩やかなペースで拡大した。しかしながら、幾つかの地区では需要減速が高まる兆候を報告し、5地区での聞き取りでは、リセッションへの高まるリスクに懸念を指摘した。ほとんどの地区では、上昇する食料やガス価格により家計で自由裁量できる収入が減っているとして、家計消費が緩やかだったことを報告している。継続的な低在庫率のため、新車販売はほとんどの地区で低迷したままである。接待業や観光業の聞き取りでは、企業やグループ旅行での上昇をいくつか指摘し、健康的なレジャー旅行を引き合いに出している。製造業活動はまちまちである。多くの地区で供給チェーン混乱や労働不足が引き続き生産を阻害している。非金融サービス業の会社は安定的状況から幾分高い需要を得ており、幾つかの会社では収入が予想を越えたと報告している。住宅需要は著しく弱くなった。これは季節外れの販売減に関連して今購入するかの関心が増え、在庫の緩やかな増加、緩やかな価格上昇の結果によるものである。商業不動産の状況は鈍化した。
ローン需要はほとんどの地区でまちまちであり、幾つかの金融業者はリボ払いラインによる顧客利用が増加したと報告している。一方で、他の金融機関では不動産金利の上昇により居住用の住宅ローン需要が弱くなったと報告している。輸送サービスの需要はまちまちであり、報告あった地区で農業状況の報告は多様であった。エネルギー製品の需要は力強く、原油やガスの掘削活動は伸びた一方、生産は利用可能な労働力や重要な構成要素となる供給チェーンのボトルネックにより引き続き制約されている。前回報告同様に、将来の経済成長の見通しは報告地区間でほとんど否定的であり、聞き取りでは今後6〜12ヶ月で一段の需要低下見込みであると指摘している。
労働市場
ほとんどの地区で、雇用は緩やかなペースから控えめなペースで伸び、状況は依然として全般的にタイトであると報告している。しかしながら、ほぼ全ての地区で、労働者への需要が弱い中、利用可能な労働者が緩やかに改善したと指摘しており、聞き取りでは、とりわけ製造業と建設業である。ほとんどの地区は賃金上昇が続いていると報告している。1/3の地区は雇用者がインフレ関連コストを相殺するために従業員にボーナスを考慮しているか支給していると指摘した。このうち2つの地区では、より高まるコスト相殺の為に労働者が賃上げを要求している。1/4の地区は賃金の伸びが今後6ヶ月間上昇し続けると指摘する一方で、2・3の地区では賃金圧力は今年末には静まると予想している。
物価
確りとした価格上昇が全ての地区を通して報告された。これは消費のあらゆる段階で起きている。このうち3/4は建設資材…例えば木材や鉄鋼などに対しては価格が軟化していると指摘している。食品、商品、エネルギーコストの上昇は著しく、これら分類の価格インフレはここ数ヶ月と比べて鈍化したが、それでも依然として歴史的に上昇していると幾つかの報告がある。幾つかの地区では全般的に将来の需要冷え込みを心配している一方、価格決定力は安定しており、また幾つかの部門、例えば観光業や接待業では、企業はほとんど抵抗もなしに、消費者へかなりの価格上昇を転嫁することに成功している。聞き取りのほとんどでは、価格圧力が少なくとも年末までは続くと予想している。
(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(上記出所:FRB HP)
(2022年7月14日11:11、1ドル=137円98銭)
オーダー/ポジション状況
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