シカゴポジション(CME)338
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年06月07日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションは全般的にポジション調整の週でした。NZドルだけ米ドルロングを積み増した形です。
まず豪ドルですが、ネットで800枚程度の豪ドル買い戻しに留まり、まだ目安となる5万枚前後のショートポジションをキープしています。NZドルは1,000枚強のNZショートを増やし、オセアニア通貨先安観は維持したままです。今週のFOMCに賭けていると思われます。明日の締日に相場が急変しない限り、大きくポジションを変える動きは無いと思います。幸い、相場観通りに先週水曜日以降はオセアニア通貨売りになりましたので、一安心となっていると思います。特にNZドルは総枚数を7,300枚増加させており、44,000枚越えになっています。過去は50,000〜55,000枚が次の積み上げ規模ですが、ネットポジションではここ1〜2年間の最大は20,000〜22,000枚ですので、ここが正念場になっています。(尚、過去は2019年7月に総枚数77,000枚があり、ほぼ同じ時期にネットポジションでは42,000枚でした。)シカゴの相場観でいけばオセアニア通貨はまだ下値トライできるも、ネットでは一度利確の可能性もあります。
NZドルの場合はやっとコスト付近(0.6250〜0.6420でショートを積み上げ開始しています。但し、0.65までの戻りでNZドルを損切りしているので、持ち値自体は下がっていると思われます。)までスポットが下がってきたので、明日の締日やFOMC通過後の来週21日締日でショートを積み上げていれば、直近の底値0.6215は単なる通過点になりそうです。逆にショートが減ればやれやれの買い戻しで、一段安は先送りになります。FOMC前の1〜2日で0.6215を切れるか否かをみます。切れば一段安狙いになりそうです。
円は先週締日も目安の10万枚からほとんど変わらず、相場も月曜日の130円台半ばから翌日締日に132円台半ばになっているにも関わらず、全く15万枚方向への動きがありません。引き続き、当面のドル天井と見ているのかを注目します。今週のFOMC後にポジション減っていれば、次のドル高トライまでは一度ポジション調整に走ると思います。ユーロも目安の5万枚を維持しています。先週の締日終値は1.0703でしたので、その後のユーロ下落で損切りした可能性はあります。何度かユーロ損切りをしていますが、都度押し目買いになっているので、ユーロに関してはまだシカゴと逆張りの流れが続いています。
先週のシカゴは、ロング3,100枚増、ショート4,200枚増で、差し引きは1,100枚弱のネット増ですが、総枚数では7,300枚増になりました。豪州中銀の利上げにも関わらずオセアニア通貨売りになり、シカゴはやっと持ち値の付近まで下がってきました。5月12日の底値0.6215までは現在のスポットでも120ピップス程度ですので、2回目の底値トライになりそうです。ショートを我慢したかいがあった様です。チャートを見ると、先週の締日終値ベースではNZドル安トレンドライン0.6430〜0.6920内に留まっていましたが、現在は下抜けています。明日の締日で0.6430以上にならないとレンジ内に戻れません。〇印のネットポジションは4週続けて2万枚近くを維持し、やっと芽が出てきた様です。
さて、実際の相場は、先週にNZドル高トレンドラインが0.6440〜0.6590(金曜日には0.6490〜0.6640)にあり、スポットが下限に近いので、切った場合には0.6460、0.6420、0.6380〜90の順にあるサポートを試す流れとしましたが、最後も下抜けるNZドル安になっています。現状では上記に書いた5月12日底値に向けての2回目トライになっています。そこまで行く途中に0.6280〜90のポイントありますが、FOMC材料に0.6215までトライする勢いがあります。万一ここを下回った場合は新たな底値模索になります。シカゴが更にショートを積み増してくれば、底割れの相場観になります。一方で上値は0.6400〜10を日足で、週足では0.6470を回復しない限りはNZドルが弱いままです。(1NZドル=0.6339米ドル、6月13日14:15)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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