米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(20日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2022年4月11日以前までとなっています。前回と比較して、ロシアのウクライナ侵攻や中国のロックダウンの影響も加わり、インフレ圧力が一層進行し、その価格上昇を消費者に転嫁していると報告しています。
以下はベージュブック主要項目の和訳です。
全般的な経済活動
経済活動は2月中旬以降、緩やかなペースで拡大した。いくつかの地区では、労働市場で雇用や労働者定着の課題があるにも関わらず、緩やかな雇用拡大を報告している。消費支出は、Covid-19症例が全国で先細りしていくに連れ、小売や非金融部門サービスで伸びが加速した。製造業活動は、ほとんどの地区で全般的に堅調だった。しかし、供給チェーン問題の滞り、労働市場の逼迫、上昇する仕入れコストが需要に見合う企業の能力に課題をもたらしている。自動車販売は低い在庫率に大きく制約を受けている。商業不動産活動は、オフィスの稼働率や小売活動の上昇に伴い、緩やかに伸びた。地区の聞き取りでは、居住用不動産に対する強い需要が報告された一方、供給が限定された。農業は地域によってまちまちである。農場主は上昇する作物価格により支えられている。しかし、干ばつがいくつかの地域で課題となっており、上昇する仕入れコストが国内で生産者のマージンを圧迫している。将来の伸びに対する見通しは最近の地政学問題の進展や物価上昇により生じた不確実性で曇っている。
労働市場
雇用はゆるやかなペースで伸びた。労働者への需要は引き続きほとんどの地区や産業部門で強いままとなっている。しかし、幾つかの地区で利用できる労働者の緩やかな改善が見られるものの、この利用できる労働者が全般的に不足しているので、雇用は圧迫されている。多くの企業は、労働者がより高い賃金やより柔軟な雇用計画を求めて離職することで、高い転職率を報告している。絶え間ない労働需要が高い賃金の伸びを煽っている。とりわけ束縛がなく好きなところに行ける労働者が喜んで仕事を変えている。インフレ圧力がより高い賃金にも影響を与え、より高い賃金が広範な求人を緩和するのにほとんど役立っていないと、企業は報告している。幾つかの聞き取りでは、賃金の伸びの強いペースが減速し始めた初期の兆候を報告している。
物価
前回の報告以降、インフレ圧力は強いままである。企業は急速に上昇する仕入れコストを消費者に転嫁し続けている。地区での聞き取りでは、とりわけ製造業の関係者が、原材料、輸送費、労働コストの急激な上昇を指摘している。複数の地区で、ロシアのウクライナ侵攻後に、エネルギー、金属、農産物の価格急騰を報告している。幾つかの地区では、中国のCovid-19によるロックダウンが供給チェーン混乱を悪化させていると報告している。2・3の地区で、供給元がより柔軟な契約条項や僅か24時間の価格見積の使用を報告している。全般的に強い需要により、仕入れ価格の上昇を顧客に転嫁することを企業に許容している。例えば、輸送に対する価格上乗せ分や航空運賃である。しかしながら、幾つかの地区での聞き取りでは、価格上昇により販売マイナスの影響を指摘している。ほとんどの地区で、企業はインフレ圧力が今後数ヶ月続くと予想している。(各地区のハイライトは略)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(上記出所:FRB HP)
下図はドル円の月足チャートです。ラインA(=106円30銭)の抵抗線を昨年上抜けてからドル高トレンドを継続しています。ドルが急騰しているので、今回はどの辺りが目安になるかをみたいと思います。
まずAとB(=103円20銭)の3角保合いはフラッグパターンでC(=127円80銭)までが目標値になります。既にザラ場で越えていますが、月末までに実体部分で越えられるかを見たいと思います。2つ目はサポートBを平行に上げたD(=130円70銭)があります。この抵抗線までも残り1円強ですので、来週も含め月足でどこまでトライできるか注目します。Dを越えると132円台半ばにも抵抗線ありますが、2002年の135円が視野に入りそうです。
逆に月足がC未満で終わると、やや上ヒゲが長くなり、前回高値の起点D(125円10銭)、先月の終値121円70銭、心理的サポート120円、そして急激に上げる前のサポートE(=114円60銭)などが月足のサポートになりそうです。
(2022年4月21日12:40、1ドル=128円45銭)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2022.04.21
日米財務相会談(22/4/21)
本日21日に日米財務相会談が開かれますが、今回はG20よりもG2の注目度のほうがはるかに高いと言えそうです。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2022.04.21
ドル円128円台半ばで堅調推移、G7では為替主要議題とならず (4/21午前)
21日午前の東京市場でドル円は128円台前半を底堅く推移。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。