米2月消費者物価指数(CPI)予想(22/3/10)

本日(10日)、米国2月消費者物価指数(CPI)が公表されます。

米2月消費者物価指数(CPI)予想(22/3/10)

米2月消費者物価指数(CPI)予想

(2022年3月10日22時30分発表)

本日(10日)、米国2月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回1月分は予想をやや上回り、一段とインフレが高進しました。今回2月は更に一段と上昇する予想です。加えて2月下旬に発生したロシアのウクライナ侵攻で、金・パラジウム・小麦など各種商品価格が過去最高値かそれに近い水準まで上昇しており、3月以降の物価にもかなりの影響を与えます。戦争絡みで投機資金も入っての価格上昇なので、各国中銀の政策担当者の悩みの種になりそうです。
今日の数値も予想(特にCPIコア年率)を大きく越える数値になると、反発始めた10年債が再び2%を越える可能性もあり、来週予定のFOMCにも影響与えそうです。戦争で先行き景気鈍化懸念が出てきている中での金利高はスタグフレーションも連想させますので要注意となります。

米2月消費者物価指数(CPI)予想

2022年3月10日9時現在予想

(1) 米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移

(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)

米2月消費者物価指数(CPI)予想 2枚目の画像

上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線は、過去の高値を結んだ青(0.6%)を越えてきました。これまでこのラインに絡んだ動きとなっていましたが、インフレの高まりを告げる数値になるか注目したいと思います。
一方で、下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=PCEコア)となっています。青が昨年12月に公表されたFRBの2022年末見通し2.7%、黒が公表済の12月末PCEコアの数値4.9%です。既に1月PCEコアは5.2%になっており、黒を越えています。CPIコアとPCEコアは同じ方向になりますので、このまま行けば2月のPCEコアも一段と上昇する見込みになります。この先、インフレがいつ反転し青の方向に行くのか。あるいはFOMCで将来のPCEコアの上方修正が見込まれそうです。

(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移

(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒は2021年末PCEコア4.9%、青は2022年末FOMC予想値2.7%、緑の矢印は今回予想値)

米2月消費者物価指数(CPI)予想 3枚目の画像

(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)

下図はドル円の日足チャートです。昨年11月末底値からのサポートA(=114円40銭)とそこから平行に上げた抵抗線B(=117円70銭)でドル高トレンドを形成しています。目先はいよいよ横抵抗線のC(=116円40銭)を目前にしています。今回3回目トライですので非常に重要になります。上抜ければ1月24日底値からのサポートがD(=116円55銭)で抵抗線になっているので、確認の意味を含めこのDを越えて終わってくれればBトライに入れます。下値は同じ1月24日底値からのサポートE(=114円80銭)があるので、ここを切れればAまでの下押しになります。ここまで収斂しているので、今日の消費者物価指数に始まり、来週水曜日のFOMCまでには結果がでると思います。

米2月消費者物価指数(CPI)予想 4枚目の画像

(3月10日13:30 1ドル=116円20銭)

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