ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。ウクライナ関連報道に一喜一憂(2/24朝)

23日(水)のドル円相場は狭いレンジ内での小動きに終始。

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。ウクライナ関連報道に一喜一憂(2/24朝)

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。ウクライナ関連報道に一喜一憂

〇ドル円、欧米株の持ち直し、米長期金利の上昇を材料に、米国時間朝方にかけ115.21まで上昇
〇買い一巡後は伸び悩み、米国時間午後114.93まで反落、地政学的リスク再燃などが重石
〇ユーロドル、欧州時間朝方1.1359まで上値伸ばすも米国時間午後にかけ1.1303まで反落
〇地政学的リスクが極度に高まる中、ウクライナ関連ヘッドラインに対する市場の感応度が低下
〇FOMCでの「利上げ幅」やFRBのバランスシート圧縮の「開始時期」が次の材料として意識される状況
〇米長期金利上昇を背景にドル高・円安が進む展開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:114.50ー115.50

海外時間のレビュー

23日(水)のドル円相場は狭いレンジ内での小動きに終始。@欧米株の持ち直し(リスク回避ムードの後退)や、A米長期金利の上昇が支援材料となり、米国時間朝方にかけて高値115.21まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Bウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの再燃(バイデン政権は「48時間以内のロシア軍による本格的な侵攻の可能性」を警告した他、対ロシア制裁を「ノルドストリーム2事業会社」に拡大)や、C上記Bを背景とした株式市場の急反落(マイナス圏へと値を崩す展開)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値114.93まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/24午前5時10分現在)では、114.95前後で推移しております。

23日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて高値1.1359まで上値を伸ばすも、@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの再燃(バイデン政権は「48時間以内のロシア軍による本格的な侵攻の可能性」を警告した他、対ロシア制裁を「ノルドストリーム2事業会社」に拡大)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(ロシアから35%輸入している天然ガス価格高騰→欧州経済への下押し圧力)、Bドイツ3月GFK消費者信頼感指数(結果▲8.1、予想▲6.3)の冴えない結果、C株式市場の急反落(リスク回避ムード)、DレーンECB専務理事による「地政学的な緊張はヨーロッパにとって重大なリスク」との発言が重石となると、米国時間午後にかけて、安値1.1303まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/24午前5時10分現在)では、1.1310前後で推移しております。

尚、ニュージーランド準備銀行は昨日、インフレ抑制を目的に、政策金利を3会合連続となる25ベーシスポイント引き上げました(本件後の政策金利は1.00%)。また、ニュージーランド中銀オア総裁は記者会見で「必要なら50ベーシスポイントの利上げの可能性も排除しない」と発言しました。

本日の見通し

プーチン露大統領が2/21に親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部ルガンスクおよびドネツク州の独立を認めたことで、ウクライナを巡る地政学的リスクが極度に高まっています。ショルツ独首相はロシアがウクライナに侵攻した場合、ノルドストリーム2の計画を停止することを表明しました。また、トラス英外相はロンドン市場でロシアの国債発行をできなくする考えを明らかにしました。更に2/24に開催予定だった米露外相会談やその後の米露首脳会談は中止となりました。一寸先も読めない不確実な相場環境の中で、市場ではウクライナ関連ヘッドラインに対する感応度が低下しつつあります(報道がころころと変化するため、市場参加者は上下に振り回されないよう、ウクライナ関連ヘッドラインにむやみに反応しないよう適応しつつある)。

こうした中、次の材料として意識され始めているのが次回FOMCでの「利上げ幅(25bpか50bpか)」と、FRBのバランスシート圧縮(QT)の「開始時期」となります。本日はこれらの材料を見極める上で重要となる米経済指標(米10ー12月期GDP統計、米1月シカゴ連銀全米活動指数、米1月新築住宅販売件数など)が複数予定されている他、リッチモンド連銀バーキン総裁やアトランタ連銀ボスティック総裁、クリーブランド連銀メスター総裁など米当局者講演も相次ぎます。

米経済指標が市場予想を上回る結果となる場合や、米当局者がタカ派的なスタンス(ロシアによるウクライナ侵攻の影響で原油価格や天然ガス価格が高騰し、インフレ高進への警戒感が高まりつつある中、米当局者がインフレ抑制に積極的なスタンス)を示す場合には、米長期金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円には強い上昇圧力が加わると予想されます。ウクライナを巡るヘッドラインに留意しつつも、本日は米長期金利上昇を背景にドル高・円安が進む展開をメインシナリオとして予想いたします(リスク回避の円買い→有事のドル買いへのシフトにも要警戒)。

本日の予想レンジ:114.50ー115.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。ウクライナ関連報道に一喜一憂

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