ドル円、地政学的リスク後退で反発。本日は米FOMC議事要旨がメインイベント(2/16朝)

15日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、地政学的リスク後退で反発。本日は米FOMC議事要旨がメインイベント(2/16朝)

ドル円、地政学的リスク後退で反発。本日は米FOMC議事要旨がメインイベント

〇ドル円、ウクライナ情勢を巡る緊迫化等から欧州時間朝方にかけ115.26まで下落
〇売り一巡後は下げ渋り、ウクライナ周辺からロシア軍撤収開始との報道等を受け115.86まで急伸
〇ユーロドル、アジア時間朝方1.1303まで下落するも米国時間朝方にかけ1.1368まで反発
〇ドル円、強い買いシグナル示唆する三役好転やパーフェクトオーダーの継続等、テクニカル的に強い地合
〇ファンダメンタルズも、日米名目金利差拡大等、ドル高・円安トレンドを連想させる材料揃う
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日、FOMC議事要旨等重要イベントが目白押し、ドル円のアップサイドリスクに注意
〇本日の予想レンジ:115.40ー116.40

海外時間のレビュー

15日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@ウクライナ情勢を巡る緊迫化(地政学的リスク)や、A株式市場の冴えない動き(日経平均株価急落→リスク回避の円買い圧力)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値115.26まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、Bロシア軍がウクライナ周辺から撤収し始めているとのヘッドラインや、C上記Bを背景とした地政学的リスクの後退(株式市場急反発→クロス円上昇→ドル円連れ高)、D米1月生産者物価指数(結果9.7%、予想9.1%)の伸び率加速、E米金利上昇に伴うドル高圧力(米10年債利回りは2.05%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値115.86まで急伸しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/16午前5時00分現在)では、115.65前後で推移しております。尚、昨日は黒田日銀総裁より「当面、金融緩和を続けるのが適切」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限定的となりました。

15日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクや、A欧州株の軟調推移、Bリスク回避のドル買い圧力、CECBによるタカ派スタンスの後退観測(ラガルドECB総裁による金融引き締めに慎重な姿勢)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値1.1303まで下落しました。しかし、前日安値1.1279(2/3以来の安値圏)をバックに下げ渋ると、Dロシア軍がウクライナ周辺から撤収し始めているとのヘッドラインや、E上記Dを背景とした地政学的リスクの後退(欧州株全面高→ユーロドル反発)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1368まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/16午前5時00分現在)では、1.1360前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ1月ZEW景況感指数は市場予想55.0に対して結果54.3と冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は週初2/14に記録した安値115.00をボトムに反発に転じると、昨日は一時115.86まで持ち直しました。ローソク足が依然として全てのチャートポイントの上側に位置している他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(世界銀行のチーフアナリストであるカーメン・ラインハート氏は「FRBはインフレ抑制に向けて、早期かつ断固とした金融引き締めに動く必要がある」と指摘。昨日発表された米1月PPIも伸び率加速)や、A日銀による金融緩和の長期化姿勢(黒田総裁は昨日、「当面、金融緩和を続けるのが適切」「指し値オペについて適切な効果を持った」と発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り。指し値オペを通じて本邦長期金利の上昇が抑制される一方、米長期金利は直近高値圏まで再び上昇)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。更に足元では、Cロシア軍による撤退報道を受けてウクライナを巡る地政学的リスクも後退しつつあるため、本日は「リスクオフ後退→株式市場反発→リスク選好の円売り再開」の経路も想定されます。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1月小売売上高や米1月輸出入物価指数、米1月鉱工業生産、米20年債入札、FOMC議事録などの重要イベントが目白押しとなります。特に明日2/17早朝4時に発表される米FOMC議事要旨(1/25ー1/26開催分)への注目度が高く、前回同様(1/5発表時と同様)、FOMC議事要旨を契機に市場が大荒れに向かうリスクも警戒されるため、本日海外時間はドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう(市場は3月FOMCでの利上げ幅やバランスシート縮小時期および縮小ペースに係る追加データを探しているため、仮に今晩発表される米FOMC議事要旨が予想よりタカ派的な結果とれば、米長期金利急上昇→米ドル高の経路が再開する公算大)。

本日の予想レンジ:115.40ー116.40

注:ポイント要約は編集部

ドル円、地政学的リスク後退で反発。本日は米FOMC議事要旨がメインイベント

ドル円日足

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