依然としてレンジ内、ただドル続伸期待も
〇本日のドル円、前日記録した戻り高値を更新する114.75-80まで一時値を上げる
〇チャート的にはドルの下値リスクが後退、年初来高値116.35に向けての展望広がる
〇本日は10-12月期GDP速報値や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.30-115.20、本日東京高値114.80が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は本日東京安値114.45-50、割り込めば113円台突入の可能性も
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場はドルが小高い。前日記録した戻り高値を更新する114.75-80円まで一時値を上げている。
ドル/円は、前日記録したドル高値圏の114.65円前後で寄り付いたのち、ドルの強保ち合い。114.45-80円といったなかで、ドルは底堅い値動きをたどっていた。日経平均株価がクローズベースで800円を超える大幅安をたどったほか、時間外取引のNYダウも冴えない値動きとなったが為替市場の反応はいまひとつ。リスク回避の動きも限定的だった。16時現在では114.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、北朝鮮が今年だけで6回目となる「飛翔体2発を発射」したことが明らかになったが、こちらも目立った影響は見られなかった。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、ロシア国防省が「黒海・北方艦隊も演習を開始した」ことを明らかにするなど、ウクライナ情勢をにらんでの恣意的行為が目に付く。またロシア外相からは「米側からNATO拡大について建設的回答なければ対抗措置をとる」といった恫喝的なコメントが聞かれたものの、圧力に屈せず米国務長官によると「駐露大使が文書で正式に拒否と回答」したもよう。ロシア側が如何なる動きに出るのか、次の一手に注目だ。
対して後者は、FRBは注目の米FOMCで、「政策金利の誘導目標を近く引き上げるのが適切だと想定する」と明記した声明を発表している。つまり、次回3月15-16日の次回会合で利上げに踏み切ることを予告したわけだ。強気な内容ではあるが、基本的には予想の範囲内。逆に「年内利上げの回数」や「利上げ実施の幅」などへの言及はなく、むしろ不完全燃焼の感も否めないものの、市場ではそれすら好意的に解釈する向きが多かった。
<< 欧米市場の見通し >>
前述した米FOMCの結果を受け、昨日欧米時間にドル/円急伸。そして本日東京時間にもドルは続伸し、わずかながら戻り高値を更新している。チャート的にはドルの下値リスクが後退、逆に116.35円という年初来高値に向けての展望が広がった感を否めない。ちなみにフィボナッチの観点では、ドル高値116.35円を起点とした下げ幅の半値戻しは114.90円、同61.8%戻しは115.25円となる。それらを意識しつつ、ドルの続伸にも一応要注意。
日米金利差を考えた場合、改めて指摘するまでもなく、利上げに積極的な米国と消極的な日本という構図となっており、円は基本的に買いにくい。そうした意味ではドル/円も底堅い値動きが予想されるものの、気掛かりなのは日米だけにとどまらない株価全面安ともいえるここ最近の状況。NYダウなどに関しては本日東京の時間外取引でも大きく値を下げており、このあともNY時間にどう動くのかが注視されている。ここのところは、「株安=円買い」というリスク回避の動きはあまり観測されなくなっているが、それでも念頭にはおいておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日FOMCを受けて114円台後半へと値を上げたものの、115円レベルを超えておらず、大局的には依然としてレンジ内。ただ、従来のレンジ下限に接近した展開から上限へ接近した動きをたどっている。前述したようにフィボナッチポイント114.90円の攻防にも注目だが、やはりレンジ上限にあたる115円レベルをしっかり超えていくことが出来るのかを注視したい。上抜け失敗で、114円台を中心とした揉み合い継続の可能性もある。
材料的に見た場合、中長期的には、WTOの「対米相殺関税」承認により、再び貿易問題も対立案件に浮上した感のある「中国情勢」、様々な状況を勘案するとロシアによる侵攻はほぼ確実にも思われる「ウクライナ情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、10-12月期GDP速報値や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定だ。強気に傾斜している米利上げ観測を後押しするような内容となるのかが注視されている。また、米財務省による7年債の入札やアップルなどの決算発表にも一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.30-115.20円。本日東京高値の114.80円レベルが最初の抵抗。しっかり超えれば115.06円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の114.45-50円をめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、割り込むと113円台突入の可能性も否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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