ユーロ圏12月消費者物価指数(HICP)の予想
本日、ユーロ圏の12月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されます。前回11月は予想を大きく上回り、米国に続き欧州圏でもインフレ懸念が高まりました。その後12月中旬に開催されたECB金融政策ではPEPP(パンデミック緊急債券購入プログラム)購入を当初の予定通り今年3月末で終了することになりました。
また同時に公表された経済見通しでは、HICPコアは2021年末に2.6%(前回2.2%)、2022年末に3.2%(同1.7%)、2023年1.8%(同1.5%)となり、今年を大きく上方修正し、インフレ傾向が強まるとし、2023年からはECBのインフレ目標である2%内に落ち着く見通しになっています。今日発表の12月はECB見通しの2.6%にほぼ合致した予想になっています。予想レンジ上限でも2.6%なので、サプライズは2.7%以上が出た時になります。勿論下限も2.2%未満ならサプライズとなりそうです。また、昨日発表された独12月CPIは前年比で5.3%(11月が5.2%、12月予想は5.1%)でしたので、場合によりHICPも強めが見込まれます。
ユーロ圏HICP
(2022年1月7日9時現在予想)
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
上記チャートではまだオレンジのコアがECB目標である緑の2%を越えて推移しています。むしろ2022年末のECB予想が3.2%ですので、来月以降の2022年数値が右肩上がりになるのかを注意したいと思います。
下図はユーロドルの日足チャートです。流れはユーロ安でラインA(=1.1420)が抵抗線になっています。ここから平行に下ろしたB(=1.1140)とC(=1.1000)でトレンドラインを形成しています。しかしながら、目先はCのサポートに当たった底値からD(=1.1260)が緩やかなユーロ高トレンドを形成しており、ここから平行に上げたE(=1.1405)とF(=1.1455)でトレンドを形成しています。短期的にはDとEを見ておき、もしFまでくると、Aの抵抗線を上抜いてしまいますが、上ヒゲだけになる場合もあるので、注意したいと思います。またDを切れば、ダブルボトムの1.1180〜90にサポートありますが、再度BとCがポイントになります。
(1月7日10:30 1ユーロ=1.1298ドル)
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