米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利議事要旨
(会合は2021年12月14・15日開催分)
昨日(1月5日水曜日)、12月中旬に行われたFOMC金融政策会合の議事要旨が公表されました。この中で、保有国債の縮小に関する議論が行われましたので、その箇所一部を抜粋して和訳しています。この保有国債縮小の議論内容により、米10年債金利は1.70%越えとなりました。
FOMC議事要旨の一部抜粋
(前略)…参加者は金利の実効下限(ELB:the effective lower bound)からFFレートを引き上げることに関連して、バランスシートからの資金流出開始の適切な条件やタイミングに関して最初の議論を行った。彼らはまた、FFレートの正常化が順調に進んでいると判断され政策金利上げからほぼ2年後にバランスシートからの資金流出が始まった前回の経験と、今回のタイミングが相対的にどの様に異なるかについても議論した。ほぼ全ての参加者はFFレートの目標レンジを最初に上げた後のある時点で、バランスシートからの最初の資金流出が適切になるだろうと合意した。しかしながら、参加者はバランスシートからの資金流出の適切なタイミングが委員会の以前の経験よりも政策金利上げ(開始)のタイミングにより近いだろうと判断した。彼らは、現在の状況がより強くなった経済見通し、より高いインフレ、より大きなバランスシートを含めたものであり、そうであれば潜在的には金利正常化のより早いペースを保証できると指摘した。彼らは最初の資金流出の決定はデータに依存するだろうと強調した。
一部の参加者は、バランスシート縮小により頼り、政策金利上昇の依存をより少なくすることで金融緩和策を取り除くことが、金融政策正常化の期間中にイールドカーブ平坦化を制限するのに役立つことをコメントした。これら参加者の2〜3名は、相対的に平坦なイールドカーブが幾つかの金融仲介業者の金利マージン率に悪影響…これにより金融安定リスクを引き起こす可能性…を及ぼすことに注意を喚起した。しかしながら、他の2〜3の参加者は、スタッフが行った分析や以前の経験について言及した。つまり、多くの要因が長期利回りに影響を与え、異なる政策ミックスがどの様にイールドカーブの形状に影響を与えるかを判断するのは難しいと指摘した。
多くの参加者はバランスシートからの資金流出の適切なペースが、以前の正常化エピソードの期間中よりも早くなる可能性が高いと判断した。多くの参加者は、証券流出の毎月の上限を決めることで流出ペース測定され、予測可能であることを保証するのに役立つと判断した。とりわけ、FRBが保有する財務省証券の加重平均の満期日を短くできる。…(以下略)
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
尚、スタッフによる経済見通しは以下の通りです。FOMC会合終了後に公表された記者会見要旨の和訳時に添付したものと同じです。明日12月の失業率が発表されますが、FRB予想の4.3%よりも改善する予想(4.1%:1月6日9時現在)になっています。
(2022年1月6日15:00、1ドル=115円86銭)
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