オーストラリアドル週報(2021年12月第3週)

豪ドルは対米ドル、対円で続伸しています。

オーストラリアドル週報(2021年12月第3週)

豪ドル/円、短期はやや強気。80円割れで終えた場合は再び下値リスクが点灯。

12/7の豪金融政策決定会合では政策金利(キャッシュレート)を市場の予想通り0.1%に据え置き、「来年2月中旬まで週40億豪ドルの国債買い入れを継続する」「完全雇用への復帰と2〜3%のインフレを達成するために、忍耐強く非常に支援的な金融条件を維持」など従来と変わらない声明内容でしたが、新たな変異ウィルス、オミクロン株については、「経済回復を妨げるとは予想せず」と過度な警戒感を示すものではなく、また、22年上半期にはデルタ前の水準を回復すると予想しています。また、「次回2月の会合で債券買い入れプログラムについて考慮する予定」「豪ドルは下落しており、昨年の最低水準に近づいている」とのコメントもあり、為替市場では豪ドルの買い戻しの動きがやや強まりました。

今週央のFOMCも混乱なく通過し、16日に発表された11月の豪失業率も4.6%、新規雇用は+36.61万人(フルタイム:+12.83万人、パートタイム:+23.78万人)と市場予想の5.0%、+20万人を大きく上回りました。都市封鎖が解除されて経済活動が再開されたことによるもので、為替市場は過度な警戒感が薄れてリスクオンの動きがやや強まり、豪ドルは対米ドル、対円で続伸しています。

チャートを見ると、日足は12/3に付けた78.79を直近安値として下値を切り上げており、12/15の陽線が11/1に付けた86.06を戻り高値として上値を切り下げて来た流れから頭一つ上抜けた位置で終えており、上値余地がさらに拡がる可能性が点灯中です。16日の日足が82.40-50の上値抵抗にぶつかって押し戻されていますが、82.50超えで終えた場合は一段の上昇に繋がり易くなります。日足の上値抵抗は82.10-20,82.40-50に、下値抵抗は81.20-30,80.60-70にあります。80円を割り込んで終えた場合は再び下値リスクが高くなります。21日移動平均線は81.42にあり若干上抜けていますが“ダマシ”の範囲内です、また、120日、200日線81.80と82.76に位置しており、中期トレンドは下値リスクを残した状態です。

一方直近の週足は、寄り付き安値の大陽線で切り返しています。今週はこの流れを受けて続伸していますが、82.50超えで越週した場合は形状が改善して、上値余地がさらに拡がり易くなります。週足ベースで見た上値抵抗は81.70-80,82.40-50に、下値抵抗は81.20-30,80.00-10にあります。全て下抜けて越週した場合は再び下値リスクが高くなります。31週移動平均線は82.20に位置しており、下値リスクを残した状態です。また62週線も81.32に位置しており、若干これを上抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。

豪ドル/円、短期はやや強気。80円割れで終えた場合は再び下値リスクが点灯。

12/16現在、31週移動平均線は82.20、62週線は81.32にあり、これらがデッドクロスする可能性が生じており、下値リスクにも警戒する必要がある。

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