米11月雇用統計の予想(21/12/3)

日本時間2021年12月3日22時30分に発表予定です。

米11月雇用統計の予想(21/12/3)

米11月雇用統計の予想

本日は注目の米雇用統計関連数値が発表されます。前回10月は下表の@失業率が小幅改善、ANFPは悪化、B時給は予想通りとなりました。但し、Aは9月が11.8万人増、8月が11.7万人増と上方修正されているので、実質は予想よりも15.4万人増となっています。従い@〜Bは全て予想を上回る結果となり、雇用は順調に回復しています。
さて、今回11月は@が改善継続、A、Bは横這いになっています。@は9月のFOMC時の2021年末予想は4.8%(6月4.5%から下方修正)になっていますが、修正前の数値に近づいているので、12月のFOMC時には改訂されると思います。因みに2022年末は3.8%まで改善の見通しになっています。流れは順調と言えそうです。Aの改善傾向は順調で、Bは引き続き強い内容です。消費関連は堅調が見込まれます。ご参考まで前年比にすると5.0%の伸びになります。

今回予想

今回予想

(12月3日8時30分現在)

さて、下図は2020年5月以降の新規雇用者増減の3ヶ月移動平均線になっています。図のスタートは2020年7月からになります。(1)はNFPの11月予想中間値(55万人)、(2)は予想レンジ上限(80万人)、(3)は予想レンジ下限(37.5万人)を入れたものです。過去のパターンでは公務員も含むNFPがADPよりも雇用増の傾向を辿ることが多いですが、8月・9月のNFPがかなり悪く、その後上方修正されていますが、今回予想中間の(1)でもまだ両者が交差する形となっています。従い、今回も9月・10月は上方修正の可能性が高くなると思います。特に(3)のレンジ下限の場合はADP>NFPの差が大きくなり、これ以下の結果になるとサプライズと思われます。

(1)今回の11月NFP予想値55.0万人

(1)今回の11月NFP予想値55.0万人

11月NFP予想値55.0万人

(2)今回の11月NFP予想値レンジ上限(80万人)

(2)今回の11月NFP予想値レンジ上限(80万人)

11月NFP予想値レンジ上限(80万人)

(3)今回の11月NFP予想値レンジ下限(37.5万人)

(3)今回の11月NFP予想値レンジ下限(37.5万人)

11月NFP予想値レンジ下限(37.5万人)

コロナ発生後のNFPとADP社の雇用推移

コロナ発生後のNFPとADP社の雇用推移

今後も50万人程度の改善を続けても、コロナ前を回復するにはまだ8ヶ月も必要になります。

下図はユーロドルの週足チャートです。直近の底値を結んだサポートラインA(1.1180)とそこから平行に上げたB(=1.1860)でユーロ安とトレンドラインを形成しています。過去の高安ポイントだったC(=1.1440)を下抜けてから急落しましたが、先週のたくり陽線で一度止まった形になっています。今週はまだ十字線(レンジは1.1236〜1.1383)ですので、上下共に抑え込まれています。従いユーロの戻り高を試す流れに入るにはこのCを越えることが必要になります。その場合には、D(=1.1585)の抵抗線が控え、次いでBになります。ユーロ高に回帰するには少なくともE(=1.2210)を越える必要があります。一方、もしAを割ると、ラインEの起点1.0638方向への流れになります。現在はユーロ安トレンド下でどこまで戻りが試せるかの中にいます。
尚、これまでの相場の流れは、失業率などの経済指標が米経済拡大基調の確認としてありましたが、先週金曜日オミクロン株の世界的拡大懸念を背景に、世界経済の先行き懸念に変わりつつあるので、今日の数値がサプライズとなる悪い結果には反応し易くなりそうです。

コロナ発生後のNFPとADP社の雇用推移 2枚目の画像

(2021年12月3日10:10、1ユーロ=1.1297ドル)

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