シカゴポジション(CME)308
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
先週はベテランズデーで債券市場休場の為、ポジションが週末に更新されておらず、1日遅れとなりました。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年11月9日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、ドルに対してはNZを除きドル売りになりました。4通貨共にポジション調整の1週間だった様です。先週は締日翌日に米消費者物価指数(CPI)の高い数値にドル全面高となりましたので、今日の締日ポジションが重要になりそうです。次回は@ポジション方向に動いたのは豪ドルと円ですので、この両者のポジションに対してドルロングが増えているのか減っているのか。ANZドルは反対方向なので、やはりNZの押し目を拾ったのか減らしたのか。Bユーロはスクエアなのでドルショートを作り始めたのか否か、あるいは押し目買いをしたのか否かになります。特にBのユーロが今後のドルの方向感を示すきっかけになりそうです。円は過去のパターンでは15万枚以上にネットポジションを膨らませたこともあるので、ドル一段高の相場観になるのか、あるいは高値付近と見てドル売りしてくるのか注目したいと思います。円のショート攻め期間が長くなっているのがドル買いには懸念材料になりそうです。
シカゴはロング4,700枚増、ショート7,400枚減で、差し引き12,100枚のネット豪ドルショート減になりました。先週締日は前々週よりも豪ドル安となり、その後も米CPIで米ドル買いになっているので、シカゴはショートポジションキープで好結果となっています。単純に計算した豪ドルショートの持ち値が0.7550付近ですので、利益確定の動きになりました。もし今日の締日で5万枚方向に減らしていけば、豪ドル先安の相場観はやや後退していく可能性がでてきます。チャートを見ると、前週の黒の豪ドル安トレンドラインは0.7260〜0.7670付近にあり、トレンドライン下限方向まで押しています。今年8月や9月の様に0.7100方向迄押すのか注目されます。
さて、実際の相場は先週金曜日に半値戻しの0.7363を下回る0.7276まで豪ドルは売られ、締日終値ベースのレンジ下限0.7260サポートで止まりました。現在のスポットは底値から80ピップス程度戻していますが、まだ豪ドルは弱い状態を継続しています。8月20日底値からのサポートが0.7230〜40にあるので、ここを守り切れば日足の0.7230〜0.7590の豪ドル高トレンドラインを維持出来ることになります。そしてレンジ上限をトライするには0.7390〜0.7400の抵抗線を越えて終わることが必要になります。もし越えた場合は0.7430〜40、0.7480の順に抵抗線が控えており、この場合にシカゴがポジション調整するかを見たいと思います。(1豪ドル=0.7363米ドル、11月16日10:55)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
オーダー/ポジション状況
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