南アランド週報:『約4ヵ月ぶり高値圏から急反落。続落リスクに要警戒』(10/23朝)

南アランド円相場は、週央にかけて約4ヵ月ぶり高値7.95円まで上値を伸ばすも、週末にかけて7.64円前後まで急落する冴えない展開となりました。

南アランド週報:『約4ヵ月ぶり高値圏から急反落。続落リスクに要警戒』(10/23朝)

『約4ヵ月ぶり高値圏から急反落。続落リスクに要警戒』

〇今週の南ア円、週央にかけ約4ヶ月ぶり高値7.95まで急伸
〇株式市場、プラチナ価格の堅調、南ア消費者物価コア指数の伸び加速が背景
〇週末にかけてはポジション調整や、株価の反落から7.64まで急落
〇南ア円週末にかけて冴えない展開、テクニカルの地合い弱い
〇ファンダメンタルズも、経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念等南ア円下落要因増える
〇南アランド円続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80 

今週のレビュー(10/18−10/22)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.82円で寄り付いた後、@株式市場の堅調推移や、A上記@を背景としたリスク選好の円売り圧力(ドル円上昇→南アランド円連れ高)、B南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の堅調推移、C南ア9月消費者物価コア指数の伸び率加速(結果3.2%、予想3.1%、※前年比)、D上記Cを背景とした南ア中銀の利上げ観測が支援材料となり、週央にかけて、6/16以来、約4ヵ月ぶり高値となる7.95円まで急伸しました。しかし、オシレータ系インジケータのRSIの過熱感点灯(買われ過ぎ感点灯)を材料に、ポジション調整が誘発されると、E円ショートの巻き戻し(ドル円急落→南アランド円連れ安)や、F南ア経済の先行き不透明感、G株安を背景としたリスク回避ムードの高まりが重石となり、週末にかけて、約1週間ぶり安値となる7.64円まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/23午前5時00分現在)では7.65円前後で推移しております。

来週の見通し(10/25−10/29)

南アランド円相場は、週央にかけて約4ヵ月ぶり高値7.95円まで上値を伸ばすも、週末にかけて7.64円前後まで急落する冴えない展開となりました。@心理的節目8.00円を突破できなかったこと(短期筋の見切り売りを誘発)、A一目均衡表転換線を下抜けしたことなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(目先はダウンサイドに控える一目均衡表基準線を下抜けられるか否かに注目。同水準を下方ブレイク出来れば、もう一段大きな下落に繋がる恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気減速懸念(今週発表された中国の主要経済指標は軒並み市場予想を下回る冴えない結果)、Bインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(実質金利を維持する為には、南ア中銀による利上げが必要となるが、南ア経済の脆弱性に鑑みると、インフレ退治の大幅利上げには踏み込みづらい環境=スタグフレーションに繋がる恐れ)、C米金利上昇に伴う新興国からの資本流出懸念など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。(尚、来週は10/28に予定されている南ア9月生産者物価指数や、10/29の南ア9月貿易収支に加えて、資源価格の動向に注目。南ア経済指標が冴えない結果となる場合や、資源価格が下落する場合などには、南アランドにもう一段強い下押し圧力が加わる可能性あり)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.50ー7.80

『約4ヵ月ぶり高値圏から急反落。続落リスクに要警戒』

南アランド円日足

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