南アランド週報:『約3ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。来週は中国指標と南アCPIに注目』(10/16朝)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.50円で寄り付いた後、早々に週間安値7.49円まで下落しました。

南アランド週報:『約3ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。来週は中国指標と南アCPIに注目』(10/16朝)

『約3ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。来週は中国指標と南アCPIに注目』

〇今週の南ア円、リスク選好回復、南ア指標改善、中銀利上げ観測で7.82まで急伸
〇テクニカルに地合い強く、6/25高値7.88が射程内に
〇但し、ファンダメンタルズは南ア、中国の経済減速懸念、米長期金利上昇による資金流出等反落材料残る
〇南ア円反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.95

今週のレビュー(10/11−10/15)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.50円で寄り付いた後、早々に週間安値7.49円まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限に続落を阻まれると、@中国恒大集団を巡るデフォルト懸念の後退(南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気先行き不透明感の後退)や、A南ア8月製造業生産(結果+7.6%、予想+0.2%、※前月比)の力強い結果、B南ア準備銀行の利上げ観測(南ア中銀はこれまで7会合連続で政策金利を据え置いてきたが、先週公表された半期に1度の金融政策見直しの中で「インフレリスクの高止まり」を強調→来月の会合での利上げを織り込む展開)、C同国の主要産品であるプラチナ価格の上昇、D株式市場の持ち直し(リスク選好ムード再開)が支援材料となり、週末にかけて、6/28以来、約3ヵ月半ぶり高値となる7.82円まで急伸しました。本稿執筆時点(日本時間10/16午前5時00分現在)でも高値圏での推移が続いております。

来週の見通し(10/18−10/22)

南アランド円相場は、10/6に記録した安値7.33円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約3ヵ月半ぶり高値となる7.82円まで急伸しました(7.33円は9/21以降で計4度止められている強力な支持帯)。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線や90日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を意識させるチャート形状となりつつあります(6/25に記録した直近高値7.88円が射程圏内)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済の先行き不透明感や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国経済の減速懸念(来週以降、中国恒大集団を巡るデフォルト懸念が再燃する恐れあり)、Bインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(上記@で記した通り、南アフリカ経済は脆弱性を孕んでいる為、インフレ退治の連続利上げには踏み込みづらいとの見方)、C米金利上昇に伴う新興国から米国への資本流出懸念など、南アランド円相場の反落を意識させる材料が残っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(上昇一服後の反落に警戒)。尚、来週は10/18に予定されている中国の主要経済指標(中国9月小売売上高、中国9月固定資産投資、中国9月鉱工業生産、中国第3四半期実質GDP)や、10/20に予定されている南ア9月消費者物価指数に注目が集まりそうです。中国経済指標が冴えない結果を示す場合や、南ア消費者物価指数が市場予想を下回る結果となった場合などには、南ア経済の先行き不透明感を背景とした南アランド売りと、南ア中銀による利上げ観測の後退を背景とした南アランド売りが重なる可能性があることから、来週は反落リスクに注意が必要な1週間となりそうです。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.65ー7.95

『約3ヵ月半ぶり高値圏へ急伸。来週は中国指標と南アCPIに注目』

南アランド円日足

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