ドル高基調継続、週末で調整にも一応要注意(10/15夕)

15日の東京市場はドルが続伸。ポジションの偏りなども取り沙汰されるなか、114円台へと値を上げている。

ドル高基調継続、週末で調整にも一応要注意(10/15夕)

ドル高基調継続、週末で調整にも一応要注意

〇本日のドル円、午後に114円台に乗せると114.15-20まで続伸、寄り付き安・大引け高の様相
〇直近安値109.11からの上昇幅が5円を超える、さらなるドル高進行の可能性も
〇基本的な流れに変化はなさそうだが、週末の一時的な調整には注意
〇本日は9月小売売上高・10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報発表、要人発言の機会も予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.60-114.60、東京高値114.15-20が目先の抵抗

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場はドルが続伸。ポジションの偏りなども取り沙汰されるなか、114円台へと値を上げている。

ドル/円は寄り付いた113.60-65円を日中安値にじり高推移。「寄り付き安・大引け高」の様相で、午後に114円台に乗せると、そのまま114.15-20円まで続伸している。日経平均株価が終値ベースで500円以上上昇する状況を横目でにらみつつ、16時現在でもドルは114円台の高値圏をキープ、欧米市場を迎えていた。
なお、本日の東京時間は円全面安の様相。ドル/円だけでなく、クロスも多くも上値を試す展開をたどっている。実際、NZドル/円やスイス/円などは年初来高値を更新する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「米金融政策」について。
前者は、ロイターが中国不動産大手「恒大集団」について、「用地代金の支払いが遅延」などと報じ物議を醸す。また人民日報は、中国で新たな個人情報保護法が施行されるのにともない、米国上場の中国企業「フートゥーとアップ、規制リスクに直面」と指摘していたようだ。なお別途、中国国家主席は全人代で演説し、「『民主』は少数国家の専売特許ではない」と述べるなど、名指しこそしなかったものの、米国に強い反発の姿勢を見せたという。
対して後者は、前日発表された米消費者物価で根強いインフレ圧力を感じるなか、昨日発表された雇用データ、新規失業保険申請件数も好数字。そうした状況下、セントルイス連銀総裁やリッチモンド連銀総裁などが「早期テーパリング」に言及する発言が聞かれ、ドルの支援要因に。ただ、フィラデルフィア連銀総裁が「テーパリングは近く開始されるも、利上げは1年以上先」とコメントするなど、一方で市場の過熱を警戒するような発言も一部で取り沙汰されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間にも高値を更新。114円台へと乗せる展開で、直近安値109.11円を起点とした上昇幅もついに5円を超えてきた。ポジションの偏りは言うまでもないが、「もうはまだなり、まだはもうなり」。リスクとしては引き続きドル高方向にバイアスがかかりそうで、114円半ばなどを目指し、さらなるドル高が進行する可能性も否定できない。
米金利動向への関心が高いという状況にいまだ変化なし。ただ、ドル高という一面は確かにあるのだが、前述したように本日の東京時間は明らかに「円の全面安」。いわゆる日米金利差だけではない、別の円売り要因が存在していることになる。いずれにしても、発表される米経済指標などをにらみつつも基本的な流れに変化はなさそう。ただ、週末ということで、一時的な調整が入りやすい地合いであることは頭に入れておいて損はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は直近安値からの上昇幅がついに5円を超えてきた。さすがに短期的には買われ過ぎだが、今年の年明けから3月に掛けての上昇は、およそ8.5円値を上げたところでピークアウトしており、それからするとまだ上げ余地は残っているのかもしれない。そんなドルの上値メドは114円などや114.70円前後などで、それらも超えればいよいよ115円台がみえてくる。

材料的に見た場合、中長期的には、「電力不足」や「恒大リスク」など材料山積みの「中国情勢」のほか、米当局が11月末にも経口治療薬の承認検討と伝えられている「新型コロナ関連」の動き、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の小売売上高や10月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるほか、NY連銀総裁が参加するパネル討論会などに注目だ。また、ゴールドマンサックスを中心とした米企業決算、ASEANによるオンライン形式の緊急外相会議にも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.60-114.60円。東京高値114.15-20円が目先の抵抗で、超えると2018年高値の114円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗である113.80円レベルだが、割り込んでも下値は堅いか。11日の欧米時間に113円台をしっかり上回ったのち、一度も113円を下回っておらず、112円はかなり遠くなったイメージだ。

ドル高基調継続、週末で調整にも一応要注意

ドル円日足


※ポイント要約は編集部

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