ドル円、年初来高値を更新し、節目114円突破が射程圏内に。本日は米CPIに注目
〇ドル円米国時間朝方にかけて2018年11/28以来約2年10か月ぶり高値113.79まで急伸
〇日米金融政策格差、テクニカル的な地合いの強さ、短期筋のショートカバーが支援材料
〇ユーロドル欧米金融政策格差を背景に売られ、米国時間正午にかけ約1年3ヵ月ぶり安値1.1524まで下落
〇ドル円テクニカルにも三役好転、移動平均線パーフェクトオーダー成立など「極めて強い」地合い
〇本日発表米消費者物価指数でインフレ圧力加速明確ならドル円にも強い上昇圧力加わる展開を想定
〇FRB副議長退任に伴いパウエル議長後任発表の可能性、結果次第でドル円ボラティリティ急拡大の恐れ
〇本日の予想レンジ:113.20ー114.10、目先は2018年11/28に記録した高値114.03を試すシナリオ
海外時間のレビュー
12日(火)のドル円相場は続伸。@日米金融政策格差を背景としたドル買い・円売り圧力(米金利先物市場は来年12月末時点の利上げを100%織り込む展開)や、Aテクニカル的な地合いの強さ(複数の買いシグナル点灯)、B短期筋のショートカバー(逆張り勢のロスカット)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、2018年11月28日以来、約2年10ヵ月ぶり高値となる113.79まで急伸しました。米国時間午後にかけて反落するも下値は堅く(米金利低下が重石となるも下げ幅は限定的)、本稿執筆時点(日本時間5時25分現在)では、113.64近辺での底堅い動きが続いております。尚、昨日はアトランタ連銀ボスティック総裁より「米非農業部門雇用者数の減速はテーパリングの予定を狂わせるものではない」との見解が示された他、クラリダFRB副議長からも「インフレリスクは上サイド」「テーパリング終了は2022年中頃が正当化される」といったタカ派的な発言が相次ぎました。
12日(火)のユーロドル相場は続落。@欧米金融政策格差を背景としたユーロ売り・ドル買い圧力や、Aドイツ10月ZEW景気期待指数(結果22.3、予想24.0、※昨年3月以来の低水準)の冴えない結果、BレーンECB専務理事兼主席エコノミストによるハト派的な発言(インフレは一過性)が重石となり、米国時間午後にかけて、昨年7/22以来、約1年3ヵ月ぶり安値となる1.1524まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間午前5時45分現在)では、1.1531前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は年初来高値を更新し、約2年10ヵ月ぶり高値となる113.79まで急伸しました。強い買いシグナルを示唆する三役好転(日足、週足、月足の全てで三役好転が実現)や、移動平均線のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォークが全て成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(オシレータ系インジケータのRSIに過熱感が見られるものの、バンドウォーク発生中は逆張りシグナル効果が低減する為、安易なショート造成には注意が必要)。目先は2018年11月28日に記録した高値114.03を試すシナリオが想定されます。
こうした中、本日は日本時間21時30分に予定されている米9月消費者物価指数に注目が集まります。資源価格の上昇を背景にインフレ圧力の更なる加速が確認されれば、米早期利上げ観測(来年の2回以上の利上げを織り込む展開)→米長期金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円にはもう一段強い上昇圧力が加わる展開が想定されます(米金利上昇・米ドル高を受けても株式市場の下げ幅が限定的であれば、米金利上昇に伴うドル高と、リスク回避ムード後退に伴う円売りが重なる可能性あり)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日はクオールズFRB副議長の任期満了日となる為、同氏の後任人事発表の際に、現在先送りされているパウエルFRB議長の後任人事が同時公表される可能性あり。結果次第でドル円相場のボラティリティ急拡大に繋がる恐れ)。
本日の予想レンジ:113.20ー114.10
※ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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