『一巡後の反落に要警戒。米金利上昇と中国リスクがランドの重石』
〇今週の南ア円、週初7.46で寄り付き後、週央にかけて7.33まで下落
〇中国のバブル崩壊懸念、米長期金利上昇からの株価軟調推移、プラチナ価格低迷が重石
〇その後は南アPMIの改善、中銀からのタカ派メッセージ、世界的株価持ち直し等に7.54まで反発
〇南ア円、転換線や基準線、90日移動平均線や200日移動平均線を軒並み下抜け地合い弱い
〇ファンダメンタルズも、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつある
〇南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65
今週のレビュー(10/4−10/8)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.46円で寄り付いた後、@中国恒大集団を巡るデフォルト懸念に端を発した中国不動産バブル崩壊への警戒感(南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の景気先行き不透明感)や、A米早期利上げ観測の高まりを背景としたリスク回避ムード(米長期金利上昇→株安→新興国通貨下落)、B南アフリカの主要産品であるプラチナ価格の軟調推移が重石となり、週央にかけて、週間安値7.33円まで下落しました。
しかし、一目均衡表雲下限に続落を阻まれると、C南ア9月民間部門PMIの良好な結果(本年6月以降で初めて好不況の分岐点となる50を超過)や、D南ア中銀ハニャホ総裁による「インフレリスクが具現化すれば、行動する用意がある」とのタカ派的な発言、E南ア中銀の半期に1度の金融政策見直しで「インフレリスクの高まり」が強調されたこと、F上記DEを背景とした南ア中銀による利上げ観測、G世界的な株価持ち直し(リスク回避ムード後退)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.54円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/9午前3時10分現在)では7.51円前後で推移しております。
来週の見通し(10/11−10/15)
南アランド円相場は、9/10に記録した約2ヵ月ぶり高値7.81円をトップに反落に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月ぶり安値となる7.33円まで下落しました(※7.33円は9/21以降で計4度止められている強力なサポート水準)。この間、一目均衡表転換線や基準線、90日移動平均線や200日移動平均線といった主要チャートポイントを軒並み下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(週末にかけて7.50円台まで持ち直すも一巡後の反落リスクに要警戒)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南ア経済を巡る先行き不透明感や、A南アフリカと経済的な結びつきの強い中国を巡る景気減速懸念(中国の不動産バブル崩壊リスク)、Bインフレ高進に伴う南アランドの実質金利低下(脆弱な南ア経済を背景に南ア中銀はインフレ退治の利上げに踏み込みづらい状況→実質金利低下→南アランド売り)、C米金利上昇に伴う新興国からの根強い資本流出圧力など、南アランド円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は10/11に予定されている南ア9月SACCI景況感指数や、10/12の南ア8月製造業生産、10/13の南ア8月小売売上高に注目が集まります。市場予想を下回る結果となれば、南ア経済の先行き不透明感や、それに伴う追加利上げ観測の後退を通じて、南アランドに強い下押し圧力が加わると予想される為、来週はダウンサイドリスクに注意が必要な1週間となりそうです(一巡後の反落に警戒)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.35ー7.65
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