ユーロ圏9月消費者物価指数の(HICP)予想
本日、ユーロ圏の9月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されます。前回8月は全体・コア共に予想を上回りましたが、コアはまだECBのインフレ目標値手前で留まっています。
今回予想は両方共前月よりも更に上昇することになっています。特にコアは1.9%予想で、予想値上限は目標値を越える2.2%まであります。但し、昨日の仏・独9月消費者物価指数は年率ベースで予想中間値をやや下回る結果になりました。その意味ではレンジ上限方向は見え難くなったかもしれません。
また、ラガルドECB総裁は9月28日に、インフレ急上昇が経済全体に広がっている兆候はなく、依然として緩和的な金融政策が必要と述べており、欧米共に目先のインフレは一過性との見通しを崩していません。
ユーロ圏HICP
(2021年10月1日9時現在予想)
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)前年同月比ベース推移
(黒い線より右側は今回の予想値、赤はゼロ、緑はECBインフレ目標値上限2%)
尚、9月公表のECB見通しでは、2021年末のHICPコア(上図のオレンジ色に相当)が2.2%(6月時予想1.9%)に上方修正しています。その意味で、今回予想通りなら、年末の2.2%に向けての一里塚との受け止め方になりそうです。
以下は本日発表予定の主な経済指標です。
下図はユーロドルの週足チャートです。昨日の月足は1.1610のサポートを切って終わりました。ユーロ弱い状態が継続しています。週足でも昨年3月底値のラインA(=1.2130)を切ってからはラインB(=1.2220)の抵抗線に止められて下落しています。その後今年6月の急落時からのラインD(=1.1540)にサポートされながら下落を続け、Dから平行に上げたC(=1.1840)でユーロ安トレンドを形成しています。そして今日の週足でも昨日の月足同様にラインE(=1.1610)のサポートを切れるかNY終値で確認されます。もし切れたらトレンドライン下限のD、次は2020年3月高値のサポートF(=1.1510)までのトライになりそうです。
逆にEを維持出来たら来週はユーロの戻りが期待できそうです。
相場はユーロ先安観が強いままですので、もし今日のHICPコア数値が2%を越えた場合に、ユーロドルの相場がどの様に反応するのか重要になりそうです。
(10月1日11:00 1ユーロ=1.1576ドル)
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