米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利記者発表
9月22日(水曜日)にFOMC会合の記者発表が公表されました。内容は前回会合(7月時)とほとんど変わっていませんが、債券購入ペースの緩和を新たに加えています。また、同時に発表された経済予想では2021年末のコアPCEを大幅に引き上げ、その後も小幅上方修正し、全てFRBインフレ目標の2%を越えています。ドットプロットは2024年の予想も加わり、大幅な利上げ予想になっています。
(1)FOMC声明文記者発表要旨
FRBはこの困難な時期に、米国経済を下支えするためにはあらゆる手段の手立てを使うことを約束する。それによって最大雇用と物価安定目標を促進していく。
ワクチン接種の進展や強い政策支援により、経済活動や雇用を示す指標は引き続き強くなっている。パンデミックにより最も不利な影響を受けた部門はここ数ヶ月改善した。しかし、Covid-19症例の増加はその回復を遅らせている。インフレは上昇し、主に一時的要因として反映されている。全般的な金融情勢は依然緩和的であり、一部でその政策の反映により、経済並びに、家計や企業への信用供与を下支えしている。
経済の道のりはウィルスの経過次第の状況が続いている。ワクチン接種の進展は経済における公共健康危害への影響を減じ続けるだろうが、経済見通しへのリスクとして残っている。
委員会は最大雇用と長期インフレ目標2%の達成が求められている。インフレ率がこの長期目標を下回り続けるなか、委員会はインフレが暫くの間2%を越え、その後平均2%のインフレと長期に亘るインフレ期待が2%に定着することを目標としている。委員会は、これらの成果が達成されるまで、金融政策の緩和スタンスを維持すると予想している。委員会はFFレートの目標レンジを0〜0.25%で維持することを決めた。それは、労働市場の情勢が委員会による最大雇用とインフレの評価と一致する水準に達し、かつインフレが2%まで上昇し、暫くの間は緩やかに2%を越える水準になるまで、目標レンジを維持することが適切である予想している。
昨年12月、委員会は、最大雇用と物価安定目標に向けて大幅な進展が見られるまで、少なくとも毎月800億ドルの国債と少なくとも毎月400億ドルの不動産担保証券の保有増加を続けることを示した。それ以降、経済はこれらの目標に向け進展した。もしこの進展が予想通り幅広く継続していけば、委員会は資産購入ペースの緩和は間もなく保証される可能性あると判断した。これらの資産購入は、円滑な市場機能と緩和的な金融環境の促進に役立ち、家計や企業への信用供与の手助けにもなる。
金融政策の適切なスタンスを査定するにあたり、委員会は経済見通しに対する入手情報の含みを精査続けることになる。委員会は目標達成の妨げになるリスクが起きた場合には、金融政策を適切に調整していく準備がある。委員会の査定は幅広い情報を考慮した上で行われる。この中には公衆衛生、労働市場、インフレ圧力やインフレ期待、あるいは金融や国際情勢の進展具合も含まれる。
金融政策に対する賛成者:パウエル議長、ウィルアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー(全員一致です)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)FRB経済見通し中央値(9月時改定)
今回(9月時)予想は以下となっています。
前回6月時点ではドットプロットからFFレートを2023年に2回の利上げ予想になっていましたが、今回は2022年にも1回利上げ、2023年以降も大幅な利上げ予想になっています。
(3)ドットプロット
(前回6月)
(今回9月)
(経済見通し、ドットプロットの出所:FRB HP)
下記はドル円の週足チャートです。22日付けFOMC予想時に添付した110円20銭の抵抗線は上抜けて終わりました。日足ベースでは上値トライの状況にいます。
週足ではラインA(=111円70銭)とB(=103円80銭)で収斂中です。今年1月底値からのサポートC(=113円50銭)は下抜けており、流れは収斂中のドル安方向ですが、目先は7月初高値からのD(=110円30銭)とE(=107円90銭)のドル安トレンドラインを上抜きかけています。今日の終値で、実体での上抜きあるか、上ヒゲだけに留まるのかが判明します。
越えた場合はまず実体部分の横抵抗線G(=111円15銭)が最初の目途で、更に越えればAが視野に入ります。逆に、上ヒゲだけですと抜けが騙しの可能性があり、再度、横サポートのF(=109円10銭)方向を試す可能性が出てきます。
FOMC後は米10年債金利が1.43%まで上がり、金利上昇でも株価が堅調ですので、FOMCの受け止め方は景気回復時の良い金利上げとの見立てです(勿論、日米景況感格差もあります)。従い、NYダウやS&P500が史上最高値を更新してくると、この流れに弾みが付きそうです。
(2021年9月24日12:45、1ドル=110円42銭)
オーダー/ポジション状況
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