米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/9/22)

東京時間では2021年9月23日木曜日夜中未明に発表予定です。

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について(21/9/22)

米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利について

NY時間9月22日14時(水曜日)にFOMC会合の記者会見要旨が公表され、その後パウエルFRB議長の定例記者会見が予定(同14時半)されています。今回の市場予想は以下の通りになっています。

(1) 政策金利(9月22日 9時00分現在の予想)

現在のFFレート「0.0〜0.25%」⇒据え置き
(エコノミストレンジは0.00〜0.25%で全員据え置き予想)
また、超過準備預金(民間銀行がFRBに預ける超過準備金)の付利もエコノミスト全員据え置き予想です。)

前回会合(7月下旬)時は政策金利や債券購入など全て据え置きました。一部、超過準備預金の付利を上げました。今回は、全てのエコノミストがFFレート及び超過準備預金の付利も含めて据え置き予想となっています。

今回の市場の予想は年内に開始が見込まれているテーパリングに関して、その具体的内容がでるのか、利上げに関してはどの様に言及されるのかが注目されているようです。市場は10年債金利に影響を与える内容中心に取捨選択していくものと思われます。以下は今回議論が予想される内容の一部となります。

@ テーパリングのための条件を提示する内容になるか。下記(4)のFRB発言みると、年内開始を支持している委員が多くいます。
A 更に具体的条件(例えば失業率が4%未満になったら等)時にテーパリングを開始する内容となるか。
B 年内あるいは年始からの具体的なテーパリング開始時期を示唆するか。
C テーパリングと利上げは別物と示唆していますが、今回はその内容が変更されるか否か。
D テーパリングしても、開始後の保有国債の残高推移はどうなるか。
E 今回はFRBの経済予想がでますが(前回は下記(2)ご参照)、特にコアPCEの見通しが変更されるのか、その場合は上方?か下方か?
F ドットプロットの内容がどの様に変更されるのか(前回は下記(3)ご参照)。
G 最近の軟調な経済指標をFRBはどの様に受け止めているか。
等を見ています。

そして7月会合以降の状況変化から、以下の点に関してFRBが議論の対象に挙げているかが注目されます。
H 中国の恒大集団がデフォルトになった場合、恒大だけに留まるか、他社へ波及するか。
I 万一恒大集団がデフォルトした場合、中国の対応と同国GDPへの影響がどうなるか。
J G、Hが起きた場合に米国へ与える経済的影響を議論するか。
K 米会計年度が今月末に迫り、民主党が呼びかけている債務上限問題を含めたつなぎ予算案を共和党が歩み寄るかですが、FRBはこのデッドシーリングの懸念に言及するか。
(以上)

(2)FRB経済見通し(6月時改定分)

(2)FRB経済見通し(6月時改定分)

前回の6月時予想は上記のようになっています。ドットプロットからFFレートが2回利上げ(赤字)予想になっています。今回の予想でどの様に変わるか注目されます。

(3)ドットプロット

(3)ドットプロット

(経済見通し、ドットプロットの出所:FRB HP)

(4)CME Fedwatch

@前回7月時点では、年内及び来年1月会合まで利上げ予想は0%になり、全てが据え置き。最初の利上げは2022年3月会合で、96.6%が据え置き、3.4%が0.25%の利上げになっています。前回以上に据え置き先延ばし派が増えています。
A今回も最初の利上げは2022年3月会合で、1.6%が0.25%の利上げで前回より減少。6月会合で、8.2%が0.25%利上げ、0.1%が0.50%(2回)の利上げ予想。7月会合では0.25%利上げが13%になります。

(5)最近のFRB関係者の主な発言(最近一ヶ月分程度)

9月10日 メスター・クリーブランド連銀総裁  「今年テーパリングを開始し、2022年上半期で終了することを支持」「インフレには上向きのリスク」                   
9月10日 ボウマン理事     「予想通りのデータが出れば、年内にテーパリング開始」「雇用の実質的進展という目標に近づいている」
9月9日 ボスティック・アトランタ連銀総裁  「年内にテーパリングが開始される可能性が残っている」      
9月9日 カプラン・ダラス連銀総裁  「9月にテーパリング発表、10月開始をデータは示している」
9月9日 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「経済が予想通りの改善になれば、年内のテーパリングが適切」 「来年はインフレ2%に戻る」

8月28日 クラリダFRB副議長 「雇用市場の拡大が更に進展すれば、テーパリングを支持」
8月28日 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁「2023年初頭までFRBが利上げについて検討することはないだろう」
8月27日 パウエルFRB議長   「インフレ上昇は一時的なものである可能性」「資産購入が終了しても、長期債保有で緩和的な金融環境を支える」「年内のテーパリング開始が適切になりえる」
8月26日 ブラード・セントルイス連銀総裁 「テーパリングを開始し、2022年1Qに終了すべき」「インフレは予想よりも更に良くなっている」
8月26日 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁 「9月会合でテーパリングを反映した話し合いが行われる」


2021年の委員会メンバーは以下です。
パウエルFRB議長、ウィリアムズ副議長、トーマス・バーキン、ラファエル・ボスティック、
マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、メアリー・デーリー、
チャールズ・エバンス、ランダル・クォールズ、クリストファー・ウォラー

下記はドル円の日足チャートです。大きな流れは年始からのサポートAは切れているので、ドルが弱い状態となり、7月2日高値111円66銭からの抵抗線B(=110円20銭)に遮られてドルが下落しています。この間8月4日底値108円72銭からのサポートC(=110円05銭)は切れ、現在は4月23日底値107円48銭からのD(現在は109円20銭)にかろうじて支えられています。この下には横サポートE(=109円10銭)があり、今日以降109円未満の終値になると、Bから平行に下したF(=107円70銭)とのドル安トレンドラインを形成します。このまま行けば4月23日底値の107円48銭のダブルボトムにもなります。一方で、上値はBの抵抗線を越えて終われば、ドル弱きながらも上値トライに戻れます。その場合はBとのダブルトップが視野に入りそうです。
現在はドル弱い流れにはいますが、今日のFOMCの内容次第で10年債金利が高くなれば、B抜けの可能性も広がりそうです。

(5)最近のFRB関係者の主な発言(最近一ヶ月分程度)

(2021年9月22日10:30、1ドル=109円44銭)

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