米8月小売売上高予想
本日は8月小売売上高が発表されます。7月の小売売上高(全体)はマイナス予想(▼0.3%)を更に下回る▼1.1%でした。但し、5月分が+0.3%、6月が+0.1%の上方修正でしたので、実質は▼0.7%でした。当時の相場はこの指標が無視され、ミネアポリス連銀総裁の「必要なら利上げも」の発言に金利高からドル買いとなりました。指標発表前後に109円20銭付近で推移していましたが、真夜中には109円65銭付近までのドル高となりました。
8月は連続のマイナス予想になっています。下図を見ると、米国の巨額な財政出動に支えられて、今年3月からの小売売上高は急拡大しています。依然黒のトレンドラインを大きく凌駕しており、赤い横線のコロナ前高値よりも大きく越えています。仮に連続マイナスとなっても過去の高い消費済水準からの減速ですので、まだ調整域内となる可能性を残しています。また、今回は除く自動車の数値が注目されるかもしれません。予想は丁度±0.0%ですので、これがどちらに転ぶかで、相場の材料になりそうです。また、数値が悪化した場合でも、前月同様にまだテーパリング年内開始→利上げ観測の思惑が残っているのかを確認したいと思います。
(今回予想2021年9月16日8時30分現在)
実数値ベース
青の矢印が今回予想値。赤い線は2020年1月高値を基準、
黒い線は上昇トレンドライン
前期比ベースのGDPを見ると、もし今回連続マイナスになると、GDPの約70%を占める消費の減速ですので、前期比ベースのGDPは下方に引っ張られる材料となります。
因みにアトランタ連銀GDPナウは2021年第3四半期で、前期比年率+3.7%(9月10日現在)になっており、9月2日時点と変わり無しとなっています。8月26日発表の第2四半期GDP改定値は、前期比年率で+6.6%でしたので、伸び率減速となっています。今日16日にGDPナウの改定値が発表されます。
以下は本日発表予定の経済指標です。
2021年9月16日8時30分現在予想
下図はドル円の日足チャートです。A(=112円40銭)のサポートを下抜けてからドルが弱くなり、直近まで抵抗線B(=110円40銭)と目先のサポートC(=109円75銭)で保合いを続けていましたが、昨日完全に下抜いて終わっています。現在はBから平行線に下したD(=107円90銭)のドル安トレンド下限を試す流れに入っています。このレンジ間の最初のサポートE(=109円10銭)に昨日は止められました。切れば次はF(=108円75銭)のダブルボトムになります。上値はBを越えて終わらない限りドルは弱く、仮に越えてドル買いしてもAの手前では再度売りになります。
(2021年9月16日11:00、1ドル=109円27銭)
オーダー/ポジション状況
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