9月9日への急落一服で揉み合いだが、わずかに安値を更新
〇昨日のトルコリラ円、ドル円急落で円高に圧され12.88まで下げる、安値若干切り下げ
〇ドルトルコリラは8.43を中心としてほぼ横ばい、来週の米FOMCとトルコ中銀金融政策発表待ち
〇15日夜安値を割り込めば持ち合い下放れ感強まり安値試しへと下げ足を速める可能性あり
〇全般にドル安でもドル円が下げ足を速めるなら円高由来でトルコリラ円も下げる可能性も
〇15日夜安値12.88割れ回避のうちは上昇余地あり、13.00超えからは13.05前後への上昇を想定
〇12.88割れからは12.80台前半(12.85から12.80)を試す、12.82以下は反発注意
【概況】
トルコリラ円の9月15日は13.01円から12.88円の取引レンジ、16日早朝の終値は12.94円で前日終値の12.96円からは0.02円の円高リラ安だった。
9月2日に13.32円まで上昇して6月2日安値12.44円以降の高値を更新したが、9月3日のトルコ物価指数及び米雇用統計を挟んで乱高下となったところで行き詰まり、9月8日にはトルコ中銀総裁の利下げ余地を示唆するような発言からドル高リラ安が進行したことに圧されて前日比0.20円の円高リラ安で失速、9日には12.89円まで安値を切り下げた。その後はやや下げ渋りで10日には13.08円まで戻すも13円台では戻り売りにつかまり、15日は夜にかけてドル円が109.09円まで急落したために円高に圧されて12.88円まで下げてこの間の安値を若干切り下げている。
【ドル/トルコリラは膠着状態で横ばい】
ドル/トルコリラの9月15日は8.45リラから8.39リラの取引レンジ、16日早朝の終値は8.42リラで前日比終値の8.42リラから横ばいだった。15日夜は米NY連銀景況指数が予想を上回ったことで深夜にかけてはドル高優勢の動きだったもののトルコリラの動きは限定的だった。
9月3日高値8.24リラから9月9日安値8.51リラまでドル高リラ安で進んだ後はリラ安一服となり8.43リラを中心としてほぼ横ばいの動きに入っている。来週の米FOMC及びトルコ中銀の金融政策発表待ちの様相。
【三角持ち合いからの下放れを試す】
9月9日安値で12.89円を付けたところから10日夜高値13.08円まで戻した後はこの高安レンジ内での推移が続き、11日朝安値は12.94円へと若干底上げをし、14日夕高値13.07円では若干高値を切り下げて60分足レベルではレンジ縮小型の三角持ち合いの様相だった。しかし9月15日夜への下落で三角持ち合いの下値支持線を割り込んでいる。
持ち合い起点の9月9日安値をわずかに割り込んだ処にとどまっているので、現状から切り返せば12.90円弱から13.08円前後までのボックス型持ち合いに変容して踏み止まり、もう一度13.08円前後を試しに戻す可能性もあるが、9月15日夜安値をさらに割り込む場合は持ち合い下放れ感が強まり、9月2日高値からの下げ一服も終了して安値試しへと下げ足を速める可能性があると注意される。
大きく動くのは9月23日未明の米FOMC声明発表、23日夜のトルコ中銀金融政策決定会合と続くところからと思われるが、リラの先安感を優先してリラ売りが先走る可能性もあるところであり、また米経済指標がやや強めで推移すれば全般的なドル高に圧されてドル高リラ安の進行で下落感が強まるケース、ないしは全般にドル安の場合でもドル円が109円割れから下げ足を速める場合には円高由来でトルコリラ円も下げるというケースも考えられる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月9日夕安値を前回のサイクルボトムとして強気サイクル入りしたが、9月14日の上昇では13日夕高値に届かずに失速したために15日午前時点では13日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとした。またボトム形成期は14日午後から16日夕にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるとしたが、14日夕高値を超えないうちは15日夜から16日にかけての間への一段安余地ありとした。
前回ボトムからすでに5日目に入っているので、15日夜安値で直近のサイクルボトムを付けた可能性があるため、13.00円超えからは強気サイクル入りとして16日夕から20日夕にかけての間への上昇を想定する。ただしいったん強気サイクル入りしてもその後に直前の上昇幅の半値を削るところからは下げ再開を警戒し、安値更新からは新たな弱気サイクル入りとして20日夜から22日夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では9月14日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落し、その後も両スパン揃っての悪化が続いているが、15日夜からの反発で遅行スパンは好転しやすい位置にある。遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、先行スパンが抵抗帯になりやすいとみて、先行スパンを突破できないうちは遅行スパンが好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。
60分足の相対力指数は15日未明から15日夜への一段安に際して指数のボトムが30ポイントラインでフラットとなる強気逆行がみられるので戻しやすい状況とみる。60ポイント台は戻り売りにつかまりやすいとみて40ポイント割れからは下げ再開を疑う。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、9月15日夜安値12.88円を下値支持線、13.00円を上値抵抗線とする。
(2)15日夜安値割れ回避のうちは上昇余地ありとし、13.00円超えからは13.05円前後への上昇を想定する。13.05円以上は反落注意とするが、13円台を維持しての推移なら17日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)15日夜安値割れからは12.80円台前半(12.85円から12.80円)を試すとみる。12.82円以下は反発注意とするが、下げ足が速まる場合は12.80円割れを試す可能性もあるとみる。また15日夜安値を割り込んだ後も12.90円以下での推移なら17日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
9月16日
20:30 週次外貨準備高・グロス 9/10時点 (9/3時点 780.5億ドル)
9月20日
23:30 8月 中央政府債務 (7月 203.2億リラ)
9月22日
16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 78.2)
9月23日
20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 19.00%)
20:00 トルコ中銀 政策金利・翌日物貸出金利 (現行 20.50%)
20:00 トルコ中銀 政策金利・翌日物借入金利 (現行 17.50%)
20:00 トルコ中銀 政策金利・後期流動性貸出金利 (現行 23.50%)
20:30 週次外貨準備高・グロス 9/17時点
※ポイント要約は編集部
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