ドル円109円台前半、レンジ下限を広げた後は再びもみ合いに転じる
16日午前の東京市場でドル円は109円台前半でのもみ合い。前日海外市場でドル円がレンジを切り下げた流れを受け、朝方109.38レベルで取引が始まったドル円は、一旦円安方向に動いたものの、米株先物や米長期金利が下落に転じるとドル売り円買いが優勢となり、109.22の安値をつけた後、東京時間正午現在は109.26レベルで取引されています。ただ、午前中の取引レンジは109.22-46と狭く、全般的には動意薄でした。
日経平均株価は、昨晩米主要株価指数がそろって反発したことを受けて買いが先行しましたが、利食い売りに押される形で失速。下げ幅は一時200円を超え、179円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では前日海外市場での米CPI不冴えの余波と、中国の指標悪化に伴う経済先行き不透明感から、ドル円は米国時間朝方にかけ109.11まで下落、約一か月ぶりの円高水準をつけました。しかしその後発表されたNY連銀製造業景気指数が予想を上回ったことで持ち直し、109.37レベルでアジア時間を迎えています。
テクニカルにはドル円は昨晩の下落で一目均衡表の「雲」の下限から下放れ、短期のレンジ下限となっていた8/24安値109.41も下抜けました。ただ、安値は8/16安値と同値の109.11で止まったことから、一旦は持ち合いのレンジ下限が109.41から109.11まで広がった形にも見えます。
本日海外時間には米小売売上高の発表が予定されています。結果を受けて、再び早期テーパリング観測が強まるようであれば、今回ドル売りのきっかけとなった米CPI自体も、絶対値は引き続き高水準であることから、ドル円は109.11-110.46幅のレンジ取引に戻る可能性も高そうです。
一方で、一応短期的レンジ下限であった、109.41を下抜けたことでドル売り地合いが強まる可能性も否定できず、この後はドル円が再度109.11を試し、更に8/4安値の108.72に向けて下落基調を強めていく動きとなるのか、要注目です。
ドル円日足
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