レンジ上放れ失敗、本日は欧州情勢に注意
〇本日のドル円、しばらくもみ合いの後夕方にかけて底割れ、109.95レベルまで下落
〇昨日まで8連騰の日経平均株価は本日弱含み、9日ぶりのマイナス圏で大引け
〇G7とアフガン近隣国などがオンラインで外相会合、ロシアと中国は協議に参加せず
〇本日ECB理事会、FRBに先んじてテーパリング開始明示ならユーロ買い要因に
〇菅首相午後7時から記者会見、退陣理由や緊急事態宣言延長について言及か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.40
<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場はドルが小安い。値幅は狭かったが、前日にドル上値トライが失敗し、その流れもあってか調整の動きが優勢だった。
ドル/円は110.25円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。110.15-30円といったなかでの一進一退を続けたが、夕方に掛けて底割れ。109.95円レベルまで下落する局面も観測されている。16時半現在でもドル/円は109.95円前後、ドルの安値圏で推移し欧米市場を迎えていた。
なお、昨日まで8連騰を記録していた日経平均株価は本日弱含むと、9日ぶりのマイナス圏で大引け。またTOPIXも小安いが、基本的なリスクは引き続き上方向と予想する向きが多いようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「国際政治情勢」について。
前者は、昨日韓国の聯合ニュースが「北朝鮮は9日の建国73年に合わせ平壌で大規模な閲兵式を実施する可能性が高まった」と報じていたが、現地時間9日午前0時、つまり日付が変わってすぐに平壌の金日成広場で軍事パレードが開催されたもようだ。なお、そののち朝鮮中央通信が実際にパレードの様子を報じたほか、「金朝鮮労働党総書記が出席した」とも指摘していた。
対して後者は、G7とアフガン近隣国などがオンラインで外相会合を開き、アフガニスタン情勢をめぐり協議を行っている。「タリバンに国外退避許可を要求する」という姿勢が示されたものの、タリバンに接近するロシアと中国は協議に参加せず、統一感を欠いたものになった。また、共同通信が「菅首相は月末の訪米を調整、日米豪印4ヵ国首脳会談や日米首脳会談実施も」と報じ話題になっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、ドル/円は直近高値を超え110.45円を示現。いわゆる「小レンジ」の上限を一時超えたものの、そののちレンジへと回帰しており、上値トライは今回も「ダマシ」に終わった格好だ。1円レンジが1.04円レンジへと、ほんのわずか広がったに過ぎない。油断は禁物だが、上値トライが取り敢えず失敗したことで、いましばらくのあいだ狭いレンジ取引が続く可能性も。
いわゆる米国ファクターとしては、ファンダメンタルズならびに金利動向への関心が高いという状況下、本日もっとも注視されているのは欧州ファクター。具体的にはECB理事会とラガルド総裁の会見に対する警戒感が強い。よって、ドルではなくユーロを中心とした動意を見込む向きも多いが、果たしてどういった動きをたどるのだろうか。ちなみに、「ECBはFRBに先んじてテーパリング開始を明示する」などといった予想も一部で聞かれており、事実とすればユーロの買い要因に。
テクニカルに見た場合、ドルは対円でレンジ上抜けを図るも失敗。109.41-110.41円という1円レンジが109.41-110.45円という1.04円レンジに変更されただけにとどまった。
いま少しのあいだレンジ取引継続の公算が大きいものの、そんな1円ほどの値動きはすでに3週間にもおよび、日柄的にはかなり煮詰まりつつある。それほど遠くないタイミングで、再びレンジブレークをめぐる動きが観測されても不思議はない。
材料的に見た場合、中長期的には、アフガン情勢においてもロシアとともに火種となっている「中国情勢」のほか、岸田氏に続き高市氏も自民党総裁選への出馬を表明した「日本の政局」、「新型コロナ変異種(デルタ株・ミュー株)」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定のほか、米財務省による30年債の入札、ボウマンFRB理事などの講演も実施される見込みだ。そのほか前述したECB理事会の結果発表や、菅首相が退陣理由や緊急事態宣言延長について話をすると言われる午後7時からの記者会見なども注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは109.50-110.40円。昨日高値110.45円をめぐる攻防にまずは注目だ。上抜ければ8月高値110.80円、そして111円台も。
対するドル安・円高方向は、テクニカルサポートの109.67円や109.59円レベルが取り敢えずは下値メド。ただ、その下にも109.41円をはじめサポートは多い。
ドル円日足
※ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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