シカゴポジション(CME)298
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年8月31日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、オセアニア通貨が米ドル買い、円・ユーロが米ドル売りになりました。相場は全般的にドル安となっているので、オセアニア通貨の売り上がりに対して、円・ユーロがポジション調整気味の動きとなっています。さて、豪ドルは遂にネットショート6万枚越えに乗せてきました。締日31日の終値は0.7315付近で前週よりやや豪ドル高でしたが、金曜日には高値0.7480付近まで上げており、明日の締日ポジションは重要な意味が出てきそうです。8月20日が目先の底値0.7106でしたので、僅か2週間で370ピップスも豪ドル高になっています。明日の締日ポジションはシカゴがショート巻き戻しで上昇したのか、あるいは売り上がりを継続したのか注目されます。NZドルはややショートを積み増していますが、まだスクエアに近い枚数なので、いくらでも引っくり返せる状態にあります。
円は小幅ながら持ち高を調整してきました。7万枚越えを狙わずに、円買いポジションを増やしてのリスク低減としています。ドル買いの平均コストもあまり良くないので、余程ドル先高の相場観を持たない限り、このままでは時間切れになりそうです。先週金曜日の雇用統計の悪さをどの様に捉えたのかということに注目したいと思います。ユーロも一段とポジションを落としています。最近のユーロ戻り高でドル買いをしてスクエア方向にしています。完全に相場観を失っている模様で、このまま暫く横這いの状況が継続しそうです。豪ドルと円のドルロングが大きいので、これを調整してくると4通貨共に動けないポジションになりそうです。
先週のシカゴは、ロング500枚増、ショート2,300増で、差し引き1,800枚のNZショート増でした。まだスクエアに近く、明確な相場観を有している状態ではありません。チャートを見ると、締日では赤のNZドル安トレンドライン0.6790〜0.7140レンジ内の中間にいます。しかしながら、現在のスポットはその上限に近いところまでNZドルが買われているので、明日の締日はこの0.7140〜50が重要なポイントになります。
さて実際の相場は、先週までの短期的なNZドル安トレンドライン0.6795〜0.7025の上限を抜けて終わっています。そして今年2月の高値0.7466からの抵抗線が0.7150〜60にあり、先週金曜日は上ヒゲだけ抜けました。もし今日以降も0.7160以上の終値になると、0.7210〜20、0.7250、0.7290の順にある抵抗線を試す流れに入れそうです。一方で、抵抗線内に引き戻されると、0.7100、0.7080、0.7050〜60の順にあるサポート狙いになります。明日の豪州中銀の金融政策の結果もある程度影響を受けると思います。(1NZドル=0.7140ドル、9月6日14:40)
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