『約1ヶ月半ぶり高値圏へ急上昇。来週は反落リスクに要警戒』
〇南アランド円、市場のリスク選好ムードや南ア指標改善に週末にかけ7.69まで急伸
〇テクニカルには転換線、基準線、200日線.21日線、一目均衡表の「雲」下限を突破、地合い強い
〇ファンダメンタルズは南ア経済不透明感、貿易相手中国の不振、南ア早期利上げ観測後退等反落材料残る
〇急ピッチの上げの反動要注意、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75
今週のレビュー(8/30−9/3)
今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初7.44円(週間安値と同値)で寄り付いた後、@パウエルFRB議長によるハト派的な発言(パウエルFRB議長は先週末金曜日のジャクソンホール会合でテーパリングの年内開始の可能性を示しつつも、利上げ開始までにはかなりの時間を要する点を強調)や、A上記@を背景としたリスク選好ムード(米長期金利低下→コモディティ価格上昇→南アランド上昇)、B南ア8月製造業PMI(結果57.9、予想48.0)及び、C南ア8月自動車販売(結果+24.6%、前回+1.7%)の力強い結果が支援材料となり、週末にかけて、週間高値7.69円(7/12以来、約1ヶ月半ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/4午前6時00分時点)では7.66円前後で推移しております。
来週の見通し(9/6−9/10)
南アランド円相場は、8/20に記録した約5ヶ月ぶり安値7.12円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約1ヶ月半ぶり高値となる7.69円まで急伸しました(9営業日で約8%の上昇率)。この間、一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線や21日移動平均線、一目均衡表雲下限を上抜けするなど、地合いの強さを印象づけるチャート形状となっております(目先は90日移動平均線や一目均衡表雲上限を突破できるか否かに注目)。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済の先行き不透明感(新型コロナウイルスの感染再拡大懸念)や、A南アフリカの主要貿易相手国である中国の景気減速懸念、B南アフリカ中銀による早期利上げ観測の後退(南ア経済の先行き不透明感+インフレ圧力の鈍化→利上げ観測後退)など、南アランド円相場の反落を意識させる材料も残っております。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(テクニカル的な強さを残しつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻む展開)。来週は9/7に予定されている南ア第2四半期実質GDPや、9/9の南ア8月SACCI景況感指数、南ア第2四半期経常収支、南ア7月製造業生産に注目が集まります。市場予想を下回る結果となった場合には、南アフリカ経済の先行き不透明感を通じて、南アランドに強い下押し圧力が加わる恐れもある為、来週はダウンサイドリスクに注意が必要な1週間となりそうです(急ピッチで上昇した反動が出易い相場環境)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):7.45ー7.75
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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