オーストラリアドル週報(2021年9月第1週)

9/1に発表された豪4-6月期のGDPは前期比+0.7%と前期の+1.9%を下回りましたが市場予想の+0.5%を上回り、4四半期連続のプラス成長となりました。

オーストラリアドル週報(2021年9月第1週)

豪ドル/円、上値余地を探る動き。短期は“強気”。中期は“弱気”

9/1に発表された豪4-6月期のGDPは前期比+0.7%と前期の+1.9%を下回りましたが市場予想の+0.5%を上回り、4四半期連続のプラス成長となりました。前年同期比では+9.6%でした。6月からのシドニーのロックダウンの影響が消化しきれておらず、次期数値が悪化する可能性が示唆されましたが、為替市場ではこの結果を受けて上値追いの動きが継続中です。中国の景況感の悪化が懸念されているものの、対中輸出が堅調(中国向け約40%)なこと、エネルギー価格が上昇に転じたこと、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演が無難な内容となり、リスク回避の動きが後退したことも豪ドルの買戻しに繋がっています。また9/2に発表された7月の貿易収支も121.17億豪ドルの黒字で、事前予想の+100億豪ドルを上回りました。

チャートを見ると、日足は8/20に付けた77.90を直近安値として下値を急角度で切り上げる流れを維持しています。また、7/6に付けた84.19を戻り高値として上値を切り下げて来た短期的なレジスタンスラインからも8/31の日足が上抜けた位置で終えており、短期トレンドに変化が生じています。一方で、5/10に付けた85.80を基点として上値を切り下げる流れには変化が認められず、中期トレンドはまだ弱い状態にあり、83.50超えで越週するまでは下値リスクを残していますが、短期トレンドが変化して日が浅いため、当面は上値余地を探る動きが継続すると見られます。日足の上値抵抗は81.40-50,81.80-90、82.10-20に、下値抵抗は80.50-60,80.10-20,79.80-90にあります。全て下抜けて終えた場合は下値リスクがやや高くなります。21日移動平均線は80.23に位置しており、短期トレンドは“豪ドル強気”の流れに入りましたが、120日、200日線は83.00と81.96にあり中期トレンドは“豪ドル弱気”の状態です。

一方直近の週足は、高値引けの陽線で続落を食い止めていますが、前週の大陰線の値幅を切り返せずに越週しており、下値リスクを残した形となりました。今週は上値トライの動きが継続しており、80.70超えを維持して越週した場合は来週も一段の上昇の可能性が高くなります。この場合でも中期トレンドがまだ弱く、82円台から厚くなる上値抵抗を上抜けきれない可能性も高いと見られます。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、81.40-50,82.20-30に、下値抵抗は80.30-40,79.80-90にあります。31週移動平均線は82.88にあり、中期トレンドがまだ弱いことを示していますが、62週線は79.79にあり強い下値抵抗として働いています。

豪ドル/円、上値余地を探る動き。短期は“強気”。中期は“弱気”

9/1現在、31週移動平均線は82.88にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入ったが、62週線が79.79にありこれを守った状態にある。

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