米7月消費者物価指数(CPI)予想
(2021年8月11日21時30分発表)
本日(11日)、米国7月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回(6月分)は予想を大きく上回る数値となりました。前回のドル円相場は公表後110円20銭付近から35銭程度ドルが買われました。今回(7月)は第3四半期最初の数値になります。FRBが分析している現状の高いインフレが一過性になるかの最初の試金石です。
その予想値は、まだ高い数値になっているものの、6月と比してやや緩んでいます。先週雇用統計が好数値になり、10年債金利が大きく反発しました。今日の数値が前月を越えたり、あるいは予想レンジ上限を越える結果になると、10年債金利に影響を与えそうです。逆に大幅低下の場合にも、先週木曜日以降の金利高が急激でしたので、反落に繋がる可能性があります。
2021年8月11日9時現在予想
(1)米国消費者物価指数(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線より、今回予想値はライン以下に収まっています。移動平均線も切っているので、インフレが落ち着いてくるのかの端緒になるか見たいと思います。
下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値となっており、CPIコアもPCEコアも、FRBのインフレ目標値を大きく上回っています。但し、オレンジ色のPCEコアがだいぶ落ち着き始めており、CPIコアとの乖離が大きくなっています。7月以降、PCEコアに近づくのか、あるいはPCEコアがCPIコアにサヤ寄せするのかがポイントになりそうです。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、緑より右は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足チャートです。4月23日底値のサポートラインA(=111円20銭)を下に切ってから、ラインB(=109円70銭)とC(=108円00銭)でドル安トレンドラインを形成していましたが、先週金曜日の雇用統計で上抜けし、短期的なサポートラインE(=110円30銭)に沿ってドル高になっています。現在は7月8日にドル急落した時点のD(=110円70銭)が横抵抗線になっており、ここで止まるか、Aまでトライするかの位置にいます。
日足では比較的大きなサポートAを切っているので、現在はドル安下の戻り高を探る展開にいますが、もしAを越えて終わるようだとドル高の勢いは増してきそうです。
一方で下値はEを切り、再度B以下に潜りこんでくるとドル安継続になります。目先の動きは今日以降の米金利次第になりそうです。
(8月11日11:00 1ドル=110円63銭)
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