オーストラリアの6月貿易収支の予想
明日(木曜日)の早朝、豪州の6月貿易収支が発表されます。
前回5月は予想をやや下回る+96.81億豪ドルの黒字でしたが、下図を見ると既に2018年以前とは異次元の黒字幅を計上しています。6月は前月に続き100億豪ドルを越える黒字予想になっています。オレンジ色の移動平均線は上昇一途となっています。
Covid-19で世界貿易停滞の中、先進国中心に財政・金融支援やワクチン接種の拡大により、先行きが明るい見通しが出ている中、資源商品高や最近の豪ドル安でその恩恵をいち早く受け取っている感じです。
明日は予想を上回るか、100億豪ドル未満になるかを見たいと思います。但し、ここ2〜3年の豪州貿易収支のトレンドを見ると5〜7月がピーク、年後半には黒字幅減少になっていますので、その傾向が出るのかは来月以降の数値に注目する必要があります。
尚、GDPベースでは、今回予想通りなら前年比+30.6%、前期比+18.4の寄与になります。
(今回発表予想8月4日9時現在)
過去の推移と3ヶ月移動平均
(2021年5月現在:○印は各年6月、黒線矢印は今回6月予想値、緑はゼロ、青は2016年12月の黒字額基準)
輸出入の項目別では、輸出は6月が前月比+6.0%(レンジ+5〜+8%:5月は+6.0%)、輸入は6月が同4.0%(レンジ+3〜+8%:5月は+3.0%)です。5月も前月比で輸出入共増加、そして6月も同様の予想になっているので、もし予想通りの結果なら内容的にも強い数値と言えそうです。
豪ドル米ドルの相場は昨日の金融政策記者会見発表要旨内で添付した日足チャート内の狭いレンジ0.7340〜0.7410内に収まりました。昨日の金融政策で全て据え置き・緩和記述なしで豪ドルが買われましたが、上値抵抗線に止められています。
今日から米国のADP社民間雇用者数、明日の豪州貿易収支、週末の米雇用統計などで、このレンジをどちらかに抜けるトライが出ると思います。
ファンダメンタルズ的には、経済規模の大小を除けば、現状の変化率では豪州>米国ですが、2020年3月底値0.5507から今年2月高値0.8008までの豪ドル高の上げ幅が大きいので、現在は豪ドル高からの調整入りになっており、目先は豪ドルが弱い状態を継続しています。
今日の米国ADP社民間雇用者数でどうなるか、そして明日の豪州貿易収支が良かった場合に再度豪ドルの上値が抑え込まれるのかを見たいと思います。
(8月4日10:20、1豪ドル=0.7390米ドル)
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