トルコリラ週報:『週末にかけて持ち直すも上値は重たい。来週はインフレ指標に注目』(7/31朝)

トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、一時13.07円まで上昇しました。

トルコリラ週報:『週末にかけて持ち直すも上値は重たい。来週はインフレ指標に注目』(7/31朝)

『週末にかけて持ち直すも上値は重たい。来週はインフレ指標に注目』

〇今週のトルコ円、連休明けのリラ売り、中国株下落のリスク回避ムード等背景に週前半12.76まで下落
〇その後、米FOMCのハト派スタンス、トルコ指標の好調、中銀総裁のタカ派発言に一時13.07まで上昇
〇トルコ円テクニカルには上方向にレジスタンス厚く続伸余地は乏しいか
〇トルコ円反落をメインシナリオとして予想、8/3発表のトルコ7月CPI、PPI要注視
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):12.75ー13.20

今週のレビュー(7/26−7/30)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.89円で寄り付いた後、@大型連休(犠牲祭)明けのリラ売りフローや、A香港株および中国株の急落を背景とした世界的なリスク回避ムード、Bトルコ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(1日あたりの新規感染者数は5月初旬以来の水準まで急増)が重石となり、翌7/27にかけて、週間安値12.76円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線をバックに続落を阻まれると、Cハト派的な米FOMCを受けたリスク回避ムードの後退や、Dトルコ7月経済信頼感指数(結果100.1、前回97.8)の良好な結果、Eトルコ中銀カブジュオール総裁による「引き締め姿勢は断固として維持されるだろう」とのタカ派的な発言、F四半期インフレ報告書でインフレ見通しが引き上げられたこと(2021年末時点のインフレ見通しを12.2%から14.1%へ上方修正、2022年末のインフレ見通しを7.5%から7.8%へ上方修正)などが支援材料となり、週末にかけて、6/14以来、約1ヶ月半ぶり高値となる13.07円まで急伸しました。もっとも、買い一巡後は反落に転じ、結局12.97円前後まで押し返されての越週となっております。

来週の見通し(8/2−8/6)

トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、一時13.07円まで上昇しました。しかし、終値ベースで一目均衡表雲上限を突破できなかったこと、90日移動平均線をバックにもう一段利食い売りが強まる可能性があること、心理的節目13.00円台を終値ベースで維持出来なかったこと等を踏まえると、余程強いリラ買い材料が出てこない限り、続伸余地は乏しいと判断できます(仮に一目均衡表雲上限を突破できたとしても、6/11に記録した直近高値13.24円をバックに戻り売りが強まると想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による根強い利下げ観測(市場では引き続き年内利下げが織り込まれている状態。今週発表された四半期インフレ報告書でインフレ見通しの上方修正が示されましたが、それでも尚、現在の消費者物価指数の水準である17%台よりは下である為、トルコ中銀による利下げ観測は不変)や、A国内から国外への資本流出圧力(中銀の独立性に対する不信感)、Bトルコ国内における新型コロナウイルスの感染再拡大、C上記Bを背景としたトルコ経済の先行き不透明感、DキプロスやS400問題を巡る欧米とトルコとの関係悪化懸念など、トルコリラの下落を意識させる材料が増えつつあります。


以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/3に予定されているトルコ7月消費者物価指数およびトルコ7月生産者物価指数に注目が集まります。市場予想を下回る結果となれば、トルコ中銀による利下げ観測を通じて、リラ売り圧力が強まる可能性もある為、ダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.75ー13.20

注:ポイント要約は編集部

『週末にかけて持ち直すも上値は重たい。来週はインフレ指標に注目』

トルコリラ円日足

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