ドルに続伸期待、今度こそは「本物」か(6/23夕)

23日の東京市場はドルが堅調裡。110.82円の直近高値を超え、110.97円の年初来高値に迫る局面も観測されている。

ドルに続伸期待、今度こそは「本物」か(6/23夕)

ドルに続伸期待、今度こそは「本物」か

〇ドル円、ドル高・円安方向で一時110.90-95と値を上げ年初来高値を視界内に捉えた動きに
〇東京時間んい米株先物が堅調推移、米金利も上昇しドルの支援要因に
〇米金利上昇にともない米株安進行となるとドル円は利益確定売りの動きが強まる可能性も
〇本日発表の米6月製造業PMI速報値や5月新築住宅販売件数、米地区連銀総裁の講演内容などに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ110.30-111.30

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場はドルが堅調裡。110.82円の直近高値を超え、110.97円の年初来高値に迫る局面も観測されている。

ドル/円は、寄り付いた110.65円前後を日中安値にドルが強含み。一本調子ではなく、細かな上下動をたどるも、流れとしてはドル高・円安方向。一時110.90-95円へと値を上げ、年初来高値を視界内に捉えた動きとなった。米株先物が堅調に推移をしたうえ、米金利の上昇も好感されていたという。17時現在では110.85-90円のドル高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、8年以上の長きにわたり駐米大使を務めた崔氏が近く交代する旨を明らかにし、話題に。一方、別に香港行政長官が、米国などによる「民主派紙締め付け批判」に反論。国家安全保障を危うくする行為を美化するもの」と述べるなか、カナダなど40ヵ国超が「国連高等弁務官の新疆入りを中国に要求」するなど、引き続き欧米諸国vs中国という対立の構図がうかがえた。
対して後者は、朝鮮中央通信が、金総書記の妹である金与正党副部長の談話として、「米国の対話期待はより大きな失望をもたらすだけ」と指摘。米国との距離をうかがわせる反面、中国に対しては、北朝鮮の李駐中国大使が、中国共産党の機関紙「人民日報」に、中国との「団結」を強調する寄稿文を投じていたという。対中包囲網が強まるなか、中朝は「絆」をさらに深化させている感もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去1週間程度推移していた109.70-110.80円といった1.1円ほどのレンジをここにきて上抜けてきた。改めて指摘するまでもなく、これを素直に捉えればリスクは上方向。年初来高値110.97円トライ、あるいは111円を超えていく展開をたどっても不思議はない。しかし、昨年来のドル/円はいわゆる「ダマシ」が多く、結局は元のレンジに回帰することも儘あるだけに、今回もしばらくは動静をしっかりと見極めたいところだ。
市場は引き続き米ファンダメンタルズならびに金利動向に注目。そうしたなか、前述したように東京時間は米株先物が堅調推移したうえ、米金利も上昇しドルの支援要因となっていた。後者との関連でいえば、本日のNY時間も米地区連銀総裁などによる発言機会が多く、まずはそちらに要注意。ただ、「米金利上昇にともない米株安進行」といった構図となれば、ドル/円相場は利益確定売りの動きが強まる可能性も考えられる。

テクニカルに見た場合、ドル/円は109.70-110.80円という新たなレンジを形成しつつある感がうかがえたものの、それを昨日から本日に掛けて上放れてきた。素直に解釈すればリスクはドル高方向にバイアス。まずは110.97円の年初来高値をめぐる攻防が注視され、それを超えると名実ともに111円台回復か。111円半ばから後半が一応のターゲットとして意識されるか。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「ロシア情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」、「東京五輪・パラリンピックをめぐる動き」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、6月の製造業PMI速報値や5月の新築住宅販売件数が発表されるほか、昨日に続き米地区連銀総裁などによる講演も相次ぎ実施される見込みだ。また米財務省による5年債の入札などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.30-111.30円。目前に迫った年初来高値110.97円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ111円台を回復、明確な上値メドは指摘しにくいが111円半ばから後半には抵抗がある。
対するドル安・円高方向は、110円半ばに弱いサポートがあるものの、仮に割り込んでも大崩れは予想しにくい。110円割れは若干遠くなった印象か。

ドルに続伸期待、今度こそは「本物」か

ドル円日足


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