南アランド週報:『2年4ヵ月ぶり高値圏から急反落。節目8.00円の大台割れ』(6/12朝)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヶ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、週後半にかけて一時7.95円まで反落しました。

南アランド週報:『2年4ヵ月ぶり高値圏から急反落。節目8.00円の大台割れ』(6/12朝)

『2年4ヵ月ぶり高値圏から急反落。節目8.00円の大台割れ』

〇今週の南ア円週初8.17まで上昇後、利食い売り、ポジション調整等に7.95まで反落
〇南ア円中長期の上昇トレンド不変ながら転換線、8円下抜け等短期下落リスク警戒される
〇南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇6/17に発表される南ア4月小売売上高の他、6/15ー6/16の米FOMCに注目
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

今週のレビュー(6/7−6/11)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.14円で寄り付いた後、早々に週間高値8.17円(2019年2月6日以来、約2年4ヵ月ぶり高値更新)まで上昇しました。しかし、@重要イベント(南ア第1四半期GDP、ECB理事会、米消費者物価指数、米FOMCなど)を控えた警戒感から、A短期筋の利食い売りが活発化すると、B南アフリカ統計局が発表した南ア第1四半期GDPが市場予想を上回りながらも前期比1.1%増と前回第4四半期の1.5%増から鈍化したことや、C南ア4月製造業生産(結果▲1.2%、予想+0.5%、※前月比)の冴えない結果、D米消費者物価指数の伸び率高進(米早期テーパリング観測の再燃→米長期金利の下げ幅縮小)が重石となり、週後半にかけて、週間安値7.95円まで反落しました(約1週間ぶり安値圏。心理的節目8.00円の大台割れ)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/12午前5時30分現在)では7.98円前後で推移しております。

来週の見通し(6/14−6/18)

南アランド円相場は、6/7に記録した約2年4ヶ月ぶり高値8.17円をトップに反落に転じると、週後半にかけて一時7.95円まで反落しました。この間、一目均衡表転換線を下抜けした他、心理的節目8.00円も下方ブレイクするなど、短期的な下落リスクが警戒されます(※但し、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーが確認できることから、中長期な上昇トレンドは不変)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済の先行き不透明感(電力不足常態化に伴う計画停電の実施懸念)や、A新型コロナウイルス第三波への警戒感、B世界的なテーパリング観測に伴う過剰流動性相場の逆流リスク(これまで堅調な国際商品市況を追い風に南アランド高の流れが続いてきたが、来週のFOMCでテーパリング観測が再浮上すると、国際商品市況をはじめリスクアセットの下押しを通じて、南アランドにも下落圧力が加わる恐れ)など、南アランド円相場の反落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は6/17に発表される南ア4月小売売上高の他、6/15ー6/16の米FOMCに注目が集まります。南ア経済指標の下振れが確認される場合や、米FOMCのSummary of Economic Projectionsでインフレ見通しやドットプロットの引き上げがなされた場合などには、リスク回避ムードの再燃を通じて、新興国通貨の中でとりわけ割高感が見られる南アランドに下落圧力が加わる恐れがあるため、来週はダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.80ー8.10

『2年4ヵ月ぶり高値圏から急反落。節目8.00円の大台割れ』

南アフリカランド円日足

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