米5月消費者物価指数(CPI)予想
(2021年6月10日21時30分発表)
本日(10日)、米国5月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回(5月12日)は予想を大きく上回る数値となり、為替は東京市場の寄り付きが108円71銭、NY時間高値が109円71銭、NY終値が109円67銭でした。現在のスポットは109円60銭弱ですので、相場としては約1ヶ月間ほぼ横這いだったことになります。また、米10年債利回りは5月11日に1.62%前後でしたが、12日は1.70%絡みの終値となりました。昨日は1.49%まで軟化しており、FRBによる直近の金利高は一時的との見解が効いた形になっています。
さて、今回は引き続き金利高の予想になっています。さすがに前月比では伸びは鈍化しますが、前年比では全体が4.7%、コアが3.5%になっています。既に4月のPCEコアが3.1%でしたので、FRBのインフレ目標値2%を越えています。
今回の前月比ではチャート(1)を見ると、過去の高値を結んだ青(0.6%)の横線より下になります。したがって0.7%以上が出ればかなり大きな数値と捉えて良いかもしれません。また、チャート(2)では赤(2%)の横線をFRBインフレ目標値に置いていますが、今回も大きく越えています。予想レンジの上限を越えた場合はサプライズになりそうです。そうなると6月25日発表予定のPCEコアの数値も一段と伸びる可能性が高まります。逆に、予想以下の場合は米金利軟化状況が続き、来週の小売売上高や鉱工業生産指数待ちになりそうです。
2021年6月10日10時現在予想
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の日足チャートです。年初からのトレンドは、まだA(=109円10銭)とB(=111円50銭)のドル高を維持していますが、このトレンド内でC(=110円55銭)の抵抗線に上値を抑え込まれています。Cを越えてくれれば、ダブルトップのE(=111円)とB方向を狙える位置にきます。
逆に、迫ってきているAのラインを切れると下値リスク高まり、その際はD(=109円00銭)のサポートを日足終値での下抜けを確認した方が良いと思います。もしDを割った場合はドル高からの調整入りで、4月23日底値107円50銭付近がダブルボトムの位置にいます。
ECB金融政策でユーロ高の流れ、CPIで予想以下の数値になった場合はドルの下落リスクが高まりそうです。
(6月10日12:40 1ドル=109円54銭)
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