シカゴポジション(CME)284
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年5月25日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは火曜日の締日までは全般的に様子見となりました。その後は、26日のNZ中銀金融政策、27日以降の全般的な米ドル高…特に円全面安となりましたので、明日の締日ポジション残高の状況が重要になります。相場から類推すれば、円ショートは積み上がっていると思われますが、ロングのコストが108円30銭付近でしたので、逆に手仕舞いしたケースも考えられます。従い、円ショートが6万枚越えか4万枚割れかのどちらに近くなったのかで、シカゴの先々の相場観がある程度解ると思います。同様にNZドルは金融政策後のNZドル高で利確したのか、ロングを積み増したのかも注目されます。いずれにしてもポジションからは円安の流れを継続しています。
先週のシカゴは全く動きがありませんでした。締日翌日が中銀の金融政策でしたので、様子見だったのは肯けるところです。ポジションは差し引きすると僅か100枚のロング増で、ネットは8,600枚弱のロングになっています。金融政策公表後にNZドルは買われ、その後金曜日には反落しているので、シカゴはポジションを手仕舞いしたのか、積み増したのかで先々の相場観がある程度類推できるかもしれません。チャートを見ると、赤のNZドル高トレンドラインには中々回帰できず、ラインの下限は0.7350付近まで上がっているので、明日の締日で回復するのは難しいと思います。一方、昨年10月起点の黒のサポートが0.7150付近にあるので、もしこれを切った場合にはシカゴもポジションを減らしてくることも考えられます。
さて実際の相場は、0.7175〜0.7345のNZドル高トレンドライン内にいます。目先は0.7220にサポートがありますが、もし下限の0.7175サポートを切れると、0.7110、0.7000、0.6940の順にある強いサポートをトライすることになります。逆に、下限が守られれば、0.7270、0.7300、0.7345の抵抗線トライになります。金融政策後のNZドル高も1日しか持たなかったので、やや上値が重い展開になっています。(1NZドル=0.7258ドル、5月31日13:40)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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