米経済指標注視も依然方向性に欠ける動きか(5/27夕)

27日の東京市場はほぼ横這い推移。終日を通した値幅は20ポイントにも満たず、本日も引き続き方向性に欠ける展開だった。

米経済指標注視も依然方向性に欠ける動きか(5/27夕)

米経済指標注視も依然方向性に欠ける動きか

〇本日のドル円は109.05-20で大きな値動きなくほぼ横ばい推移
〇ランドは対円でわずかながら続伸し年初来高値を再び更新
〇本日夜実施される日本の緊急事態宣言延長に関する協議の行方に注意
〇本日はGDP改定値や新規失業保険申請件数などの米経済指標発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.50

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はほぼ横這い推移。終日を通した値幅は20ポイントにも満たず、本日も引き続き方向性に欠ける展開だった。

ドル/円は109.10円レベルで寄り付いたものの、動意らしい動意はうかがえず。日米株価の動きなどをにらみつつ、終日を通した動きも109.05-20円といったところで、大きな値動きは観測されなかった。16時現在では109.10-15円で推移、欧米市場を迎えている。
また、為替市場は全般的に動意が鈍かったが、ランドは対円でわずかながら続伸し年初来高値を再び更新。新規ファクターではないが引き続き南アフリカの利上げ観測が取り沙汰されており、ランドの支援要因になっていたとの指摘も聞かれていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中情勢」と「日本の緊急事態宣言の行方」について。
前者は、米国の通商代表部(USTR)のタイ代表と中国の劉副首相という、両国の通商担当トップがバーチャル方式で会談を行ったことが話題となっていた。USTRによると、米国サイドは「タイ代表が進めている米中通商関係の見直しについて協議し、懸念事項も中国側に伝えた」という。ただ、通商問題での前進が期待されるなか、中国政府から「『武漢研究所からのコロナ流出説』再燃は米国が虚偽情報として広めているため」などといったクレームも聞かれており、全体を通しての関係改善はまだまだ前途多難な情勢だ。
対して後者は、引き続き東京オリンピックについての中止や延期論も根強いなか、先行きに少なからず影響を及ぼすとみられる「緊急事態宣言」延長についての協議が本日夜にも実施される見通しだ。このあと行われる菅首相と関係閣僚による協議の行方などにも要注意。ちなみに、政府は延長の方向で調整されており、問題は延長幅か。一部からは「来月20日まで」との見方も取り沙汰されているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、本日東京時間に短期的なレンジ上限である109.33円をうかがうも買いが続かず。高値は109.20円前後までとなった。予断は許さないが、上値トライが失敗に終わった感も否めず、だとすると108.56-109.33円という非常に狭いレンジ取引がいましばらく続くことになるのかもしれない。また、仮に前述レンジは抜けたとしても、過去1ヵ月程度続く1.5円レンジのなかにはとどまるとの見方が有力だ。
市場の関心は、引き続き「米インフレ」懸念と広義の米ファンダメンタルズ。そうしたなか、本日は1-3月期の米GDP改定値や新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表されることもあり、まずはそれらの内容をしっかり見極めたいとの向きが少なくない。基調としては「米経済は順調に回復している」との見方が多いだけに、それを裏付けるものとなるのか注目だ。また別途、先でも取り上げた日本の緊急事態宣言延長に関する協議の行方も注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去1ヵ月程度であれば1.5円レンジ、それより短い1週間程度と考えれば108.56-109.33円という1円にも満たないレンジ内での往来相場をたどっている。本日東京時間にレンジの上抜けをうかがうも失敗した感を否めないが、まずは前述した小レンジをめぐる攻防に注目だ。保ち合いの長さという、日柄的な要因からすると、そろそろ放れても不思議はない。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、1-3月期のGDP改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が複数発表されるほか、米財務省による7年債入札も実施される見込みだ。また、要人発言については米国関連で目立った講演などは予定されていないものの、欧州ではデギンドスECB副総裁をはじめなかなかの多くの発言機会が見込まれているようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.60-109.50円。本日東京高値にあたる109.20円レベルが最初の抵抗で、抜ければ再び19日高値の109.34円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先日まで目先の抵抗だった109円前後が、今度はサポートとして意識されている感も。まずは同レベルの攻防に注目。割り込めば108.56円を目指す。

米経済指標注視も依然方向性に欠ける動きか

ドル円日足


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