ドル円、108円台後半で上値の重い展開が継続。米長期金利の低下が重石
〇ドル円108.69まで下落後引けにかけて108.78.近辺で推移
〇米長期金利伸び悩みなどにより心理的節目109.00に続伸阻まれる
〇ユーロドル一時1.2176まで下げるも欧州圏の新型コロナ終息期待等で1.2230まで反発
〇ドル円テクニカルには下値余地乏しく、ファンダメンタルズもテーパリング観測に繋がる材料待ち
〇本日5・10日で公表相場決定のドル買い・円売りに注意
〇本日の予想レンジ:108.50ー109.30
海外時間のレビュー
週明け24日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@中国国家発展改革委員会による「行き過ぎた投機が商品価格を押し上げた」「商品先物を巡るいかなる違反も容認しない」との発言(商品市場への監視強化の思惑)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(資源国通貨の下落)、B米長期金利の伸び悩み(米ドル売り)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、日通し安値108.69まで下落しました。その後、米国勢参入後に一時108.99まで反発する場面も見られましたが、心理的節目109.00に続伸を阻まれると、引けにかけて再び反落に転じ、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、108.78.近辺で推移しております。尚、セントルイス連銀ブラード総裁は昨日、「FRBは金融市場の不安定化を潜在リスクとみなしている」「FRBがテーパリングについて議論し始めることができる時点に数ヶ月で達する」と発言しましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け24日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州勢参入後に一時1.2176まで下げ幅を広げるも、@欧州圏における新型コロナウイルスの終息期待や、A上記@に伴う欧州経済の回復期待(欧州連合は先週、ワクチン接種を完了した旅行者の入国を正式に承認→ロックダウンの緩和期待)、BECBによるテーパリング観測(年後半にかけての資産買い入れ縮小観測)、C米長期金利の伸び悩み(米ドル売り)が支援材料となると、米国時間にかけて、日通し高値1.2230まで反発しました。もっとも、5/19高値1.2246や、5/21高値1.2241をバックに伸び悩むと、引けにかけて再び反落に転じ、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.2215近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は108円台後半で上値の重い展開が続いていますが、下方向に一目均衡表基準線(108.63)や、先週2度サポートされた支持帯(5/19安値108.57、5/21安値108.61)が控えていること等を考慮すれば、下値余地は乏しいと判断できます。こうした中、本日は、米4月新築住宅販売件数や、米5月消費者信頼感指数、米5月リッチモンド連銀製造業景気指数、クオールズFRB副議長発言に注目が集まります。米経済指標の力強い結果が示されたり、タカ派寄りの米当局者発言が見られた場合には、米早期テーパリング観測を織り込む形で、米長期金利上昇→ドル高に繋がる可能性が高いと考えられます(市場は米早期テーパリング観測に繋がる材料を待っている為、良好なファンダメンタルズや、タカ派寄りの米当局者発言に反応し易い地合い)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は5・10日となる為、アジア時間帯は、公表相場決定(日本時間9時55分)にかけてのドル買い・円売りに注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:108.50ー109.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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