ドル円 米株や金利を注視も、為替はレンジ継続か(5/24夕)

週明け24日の東京市場はドルが小安い。ただ、値幅は30ポイントにとどかないなど、動意そのものはやや鈍かった。

ドル円 米株や金利を注視も、為替はレンジ継続か(5/24夕)

米株や金利を注視も、為替はレンジ継続か

〇本日のドル円、夕方には108.70-75へと下落し安値圏で推移
〇本日は米経済指標とともに、複数の米地区連銀総裁がテーパリングに対しどう発言するのかにも注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.20-109.10
〇短期的には109円前後が抵抗、抜ければ19日高値の109.34が次のターゲットに
〇先週安値108.58を割り込めば、月間安値108.34が意識されそう

<< 東京市場の動き >>

週明け24日の東京市場はドルが小安い。ただ、値幅は30ポイントにとどかないなど、動意そのものはやや鈍かった。

先週末は、公式データで340万人とされているコロナ死者について、WHOが「把握漏れを含めると、すでに1000万人超えた可能性がある」と発表し物議を醸す。また、中国政府が「マイニング(採掘)」や取引を取り締まる方針を公表したビットコインが一時31100ドル台まで下落する局面が観測されていた。
そうした状況下、ドル/円は108.85円前後で寄り付いたのち、日中高値である109円レベルへと値を上げるもドル高は続かず。その後はジリジリと値を崩す展開となり、夕方には108.70-75円へと下落している。16時現在でも、そのままドルの安値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「イラン情勢」について。
前者は、参加したオンライン会合で、習国家主席が「貧困国に30億ドルのコロナ追加支援」を確約。また、今月15日に火星に初着陸した無人探査機に積まれていた探査車が火星の表面探査を開始したことが明らかになっている。外交や軍事面での中国の攻勢が目に付いた。そうしたなか、前述したように中国政府がビットコイン規制を発表したほか、英紙FTが「米国は、オースティン国務長官と中国制服組トップの対話を要請するも中国軍が拒否」などと報じ、思惑を呼んでいたという。
対して後者は、国際原子力機関(IAEA)とイランの査察延長に関する協議が継続されるなか、イラン国会議長からは「合意は失効した」との発言が聞かれたうえ、期限の延長に応じない立場が示されていた。一方、対米政策については、共同通信が「核合意再建に向けた米国とイランの間接協議が25日、ウィーンで再開する見通しになった」とレポート。また、イラン大統領などから「米国は制裁解除の準備ありとはっきり表明した」といった趣旨の発言が複数聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

前述した中国政府の規制強化方針もあり再び下値を試す展開となっていたビットコインは、テスラのマスクCEOによる「法定紙幣より暗号資産を支持」発言で息を吹き返した。マスク氏の発言は意図的なのか否かよくわからないが、ともかく相場が引き続き乱高下の様相を呈しており、動きの鈍い為替市場参加者からすればある意味羨ましい限りだ。波乱含みの暗号資産が米株や金利の動きにも影響を与えるようだと、延いては為替市場も荒っぽい変動をたどる可能性を否定できない。

広義の米ファンダメンタルズが注視されるなか、本日は複数の米地区連銀総裁らの講演が予定されている。果たしてテーパリングに対し、前向きな発言が発せられるのか否か、その内容をしっかりと注視しておきたい。そのほか、明日から再開する予定の「核合意再建に向けた米国とイランの間接協議」をにらんだ動きや、米韓首脳会談を受けた中国の反応などを警戒する声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、先週は1円レンジにとどまったドル/円だが、過去3週間程度と考えてもドル/円はわずか1.5円レンジに過ぎない。いずれにしても、まずは前者、先週の109円±50銭といったレンジをめぐる攻防に要注意だ。レンジを上放れれば前回高値の109.78円そして110円を目指す反面、しっかり割り込んでくれば108.34円あるいは108円前後がターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「米金融政策の行方」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料としては、4月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表されるほか、前述したように本日は米地区連銀総裁などによる講演が少なくない。一例を挙げるとクリープランド連銀総裁、アトランタ連銀総裁、カンザスシティ連銀総裁による講演が予定されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.20-109.10円。本日東京時間を含め、短期的には109円前後が抵抗として意識されている感。抜ければ、19日高値の109.34円が次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値である108.58円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば、月間安値108.34円が意識されそうだ。

米株や金利を注視も、為替はレンジ継続か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る